日本での大腸がん手術の転帰、月~木曜日vs.金曜日

提供元:ケアネット

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公開日:2024/03/29

 

 英国での大規模な後ろ向き研究で、待機的手術における30日以内の死亡リスクが月曜日で最も低く、週末に向けて増加することが報告されている1)。平日(月~金曜日)の間でもこのように差が見られる「weekday effect」については、まだ議論の余地がある。今回、広島大学の今岡 洸輝氏らは、StageI~III大腸がんの待機的手術を対象とした多施設共同後ろ向き解析を実施し、手術の曜日と短期アウトカムの関連を検討した。その結果、手術を金曜日に受けた患者は金曜日以外に受けた患者より術後合併症の発生率が高く、術後入院期間も長いことがわかった。Journal of Surgical Research誌2024年4月号に掲載。

 本研究は、広島臨床腫瘍外科研究グループに属する15施設において、2017年1月~2019年12月に大腸がんの原発巣切除術を受けた2,574例を対象に解析した。手術日により金曜日と金曜日以外(月~木曜日)の2群に分け、傾向スコアマッチング後、30日死亡率と術後アウトカムを比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・手術曜日は金曜日が368例、金曜日以外が2,206例で、全死亡率は0.04%(1例)であった。
・結腸がん患者(1,685例)において、患者・腫瘍・手術の特性による傾向スコアマッチング後、金曜日のほうが手術時間はわずかに延長し、出血量はわずかに多かったが、臨床的に意味のある差はなかった。
・直腸がん患者(889例)において、傾向スコアマッチング後、金曜日のほうが術後合併症(Clavien-Dind分類IIIa以上)の発生率・消化器系合併症の発生率が高く、術後入院期間が長かった。

 著者らは「この結果はより高度な技術とスキルを必要とする大腸がん手術の曜日決定に役立つ可能性がる」とまとめた。

(ケアネット 金沢 浩子)

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