高リスク早期TN乳がんへの術前・術後ペムブロリズマブ追加、日本人解析結果(KEYNOTE-522)/日本乳癌学会

提供元:ケアネット

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公開日:2022/07/13

 

 高リスクの早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対し、術前補助療法として化学療法+ペムブロリズマブ、術後補助療法としてペムブロリズマブの投与が、化学療法のみの術前補助療法と比較して病理学的完全奏効率(pCR)および無イベント生存期間(EFS)を有意に改善することがKEYNOTE-522試験で示され、米国・FDAではすでに承認されている。今回、同試験の日本人解析結果を、国立がん研究センター東病院の向井 博文氏が第30回日本乳癌学会学術総会で発表した。

・対象:T1c、N1~2またはT2~4、N0~2で、治療歴のないECOG PS 0/1のTNBC患者
・試験群:ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)+パクリタキセル(80mg/m2、週1回)+カルボプラチン(AUC 1.5、週1回またはAUC 5、3週ごと)を4サイクル投与後、ペムブロリズマブ+シクロホスファミド(600mg/m2)+ドキソルビシン(60mg/m2)またはエピルビシン(90mg/m2)を3週ごとに4サイクル投与し、術後補助療法としてペムブロリズマブを3週ごとに最長9サイクル投与(ペムブロリズマブ群)
・対照群: 術前に化学療法+プラセボ、術後にプラセボを投与(プラセボ群)
・評価項目:
[主要評価項目]pCR(ypT0/Tis ypN0)、EFS
[副次評価項目]全生存期間(OS)、安全性など

 日本人集団における主な結果は以下のとおり。

・76例の日本人患者が2:1の割合で無作為化され、ペムブロリズマブ群に45例、プラセボ群に31例が割り付けられた。
・年齢中央値は49歳、75例がPS 0で、全体集団と比較してPSが良好な患者が若干多かった。
・あらかじめ計画されていた第4回中間解析(データカットオフ日:2021年3月23日)における追跡期間中央値は40.3ヵ月(範囲:30.1~45.8)で、pCRはペムブロリズマブ群53.3% vs.プラセボ群48.4%となり、全体集団同様ペムブロリズマブ群で向上していた。
・EFSのイベントはペムブロリズマブ群で6例(13.3%)、プラセボ群で8例(25.3%)に認められ(ハザード比[HR]:0.47、95%信頼区間[CI]:0.16~1.36)、36ヵ月時点のEFS率は89% vs.77%となり、全体集団同様ペムブロリズマブ群で良好だった。
・36ヵ月時点のOSはペムブロリズマブ群93.3% vs.プラセボ群89.3%(HR:0.67、95%CI:0.14~3.33)だった。
・Grade3以上の治療関連有害事象は、ペムブロリズマブ群82.2% vs.プラセボ群76.7%で、全体集団同様両群で大きな差は認められなかった。
・Grade3以上の免疫関連有害事象はペムブロリズマブ群20.0% vs.プラセボ群3.3%とペムブロリズマブ群で多くみられたが、安全性プロファイルはこれまでの報告と同様であった。

 向井氏は、全体集団同様日本人集団においても、同療法の有効性が示されたと結論づけている。

(ケアネット 遊佐 なつみ)