がん患者でのブレークスルー感染リスクと転帰/JCO

提供元:ケアネット

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公開日:2022/03/22

 

 米国で最大のCOVID-19症例と対照の全国コホートを運営するNational COVID Cohort Collaborative Consortiumが、ワクチン接種を受けたがん患者のブレークスルー感染リスクと転帰について調査した結果が、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2022年3月14日号で報告された。がん患者、とくに血液腫瘍患者はブレークスルー感染と重篤な転帰のリスクが高かったが、ワクチン接種患者ではブレークスルー感染リスクが著明に低下することが示唆された。

 本研究では、新型コロナウイルス感染の記録がなく、mRNAワクチンを1回もしくは2回接種し、2020年12月1日~2021年5月31日にブレークスルー感染した患者をNational COVID Cohort Collaborativeを用いて特定した。ブレークスルー感染リスクと転帰について、ロジスティック回帰を使用して分析した。

 主な結果は以下のとおり。

・ワクチン接種集団においてブレークスルー感染を6,860例に認め、うち1,460例(21.3%)ががん患者だった。
・固形腫瘍および血液腫瘍患者は、がん患者以外と比較して、ブレークスルー感染(オッズ比[OR]:1.12、95%CI:1.01〜1.23およびOR:4.64、95%CI:3.98〜5.38)および重篤な転帰(OR:1.33、95%CI:1.09〜1.62およびOR:1.45、95%CI:1.08〜1.95)のリスクが有意に高かった(年齢、性別、人種/民族、喫煙状況、ワクチンの種類、ワクチン接種日を調整)。
・血液腫瘍患者は、固形腫瘍患者に比べてブレークスルー感染リスクが高かった(調整ORはリンパ腫の2.07からリンパ性白血病の7.25の間)。
・ブレークスルー感染リスクはワクチン2回目接種後、すべてのがん患者で低かった(OR:0.04、95%CI:0.04〜0.05)。また、BNT162b2ワクチン(ファイザー製)よりmRNA-1273ワクチン(モデルナ製)でリスクが低く(OR:0.66、95%CI:0.62〜0.70)、とくに多発性骨髄腫患者で低かった(OR:0.35、95%CI:0.15〜0.72)。
・免疫抑制が強く、骨髄移植を伴う薬物療法は、ワクチン接種集団のブレークスルー感染リスクと強く関連していた。

(ケアネット 金沢 浩子)