軽度アルツハイマー病患者の安全運転に対するメマンチンの影響

米国・フロリダアトランティック大学のPeter J. Holland氏らは、軽度アルツハイマー病患者の安全運転能力の維持に対するメマンチンの潜在的な有効性を評価するために、プラセボ対照二重盲検比較試験の実現可能性を判断する目的でパイロット研究を実施した。Canadian Geriatrics Journal誌2021年12月1日号の報告。
スクリーニング基準を満たした60歳以上の軽度アルツハイマー病患者43例を対象に、メマンチン群22例と対照群21例にランダム化を行った。運転能力の評価には、標準化された路上運転免許試験を用いた。アウトカムは、6、12ヵ月時点の運転能力と12ヵ月間の路上試験完了率とした。
主な結果は以下のとおり。
・12ヵ月間の路上試験完了率は、メマンチン群59%(13例)、対照群52%(11例)であった(p=0.66)。
・安全運転能力が維持されていたのは、メマンチン群では13例すべて、対照群では8例(73%)であった(p=0.040、OR=4.45)。
著者らは「本結果は、軽度アルツハイマー病患者の運転能力維持に対するメマンチンの有効性を評価するうえで、厳格なマルチサイト臨床試験を設計するためのフレームワークとなりうる」としている。
(鷹野 敦夫)
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