軽~中等症の新型コロナ治療薬sotrovimabを国内申請/GSK

提供元:ケアネット

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公開日:2021/09/07

 

 グラクソ・スミスクラインは9月6日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として、sotrovimabについて同日付で国内における製造販売の承認申請を行ったと発表した。酸素療法を必要としない軽症・中等症かつ重症化リスクが高いCOVID-19患者を対象とし、点滴静注で用いる。海外第II/III相臨床試験(COMET-ICE試験)では、重症化リスクの高い軽症~中等症のCOVID-19成人患者において、入院または死亡リスクが有意に低下することが示されており、厚生労働省に特例承認の適用を求めた。

sotrovimabはCOMET-ICE試験で入院または死亡を79%低減

 sotrovimabは、GSKとVir Biotechnology社が研究開発を行うSARS-CoV-2モノクローナル抗体。COMET-ICE試験に参加した1,057例全例の有効性に関する主要解析において、投与29日目までに24時間を超える入院または死亡がプラセボと比べ79%低減し(補正相対リスク減少)(p<0.001)、主要評価項目を達成したことが報告されている。

 sotrovimabは、スパイクタンパク質の保存性の高い領域に結合することにより、薬剤耐性への高いバリア機能を備える。in vitro試験のデータでは、デルタ株やラムダ株などの懸念される変異株・注目すべき変異株に対して活性を維持することが示されているが、臨床に及ぼす影響はまだわかっておらず、データ収集と解析が続いている。

 sotrovimabを巡っては、米国で緊急使用許可(EUA)が発行されているほか、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会からはRegulation 726/2004のArticle 5(3)に基づき、肯定的な科学的見解を得ている。このほか、カナダ、イタリア、アラブ首長国連邦、シンガポールなどでは一時的承認を、オーストラリアでは承認を取得している。

(ケアネット 鄭 優子)

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