統合失調症に対する抗精神病薬未使用と死亡リスク

提供元:ケアネット

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公開日:2021/09/08

 

 抗精神病薬の使用が統合失調症患者の死亡率の上昇または低下と関連しているかは、よくわかっていない。大規模登録研究では、抗精神病薬を使用しないと死亡リスクが増加することが示唆されているが、プロスペクティブ研究での報告は十分ではない。ノルウェー・Haukeland University HospitalのMaria Fagerbakke Stromme氏らは、統合失調症の死亡率と抗精神病薬未使用との関連を調査するため、オープンコホート研究を実施した。Schizophrenia Research誌オンライン版2021年7月21日号の報告。

 対象は、ノルウェー・ベルゲンのHaukeland University Hospital精神科急性期病棟に10年間入院し、退院診断を受けた統合失調症患者696例。各患者における抗精神病薬の使用期間と未使用期間での比較を行うため、抗精神病薬の使用を時間依存変数としCox重回帰分析を行った。性別、入院時の年齢、精神科急性期病棟への入院数、アルコールおよび違法薬物の過剰使用、ベンゾジアゼピンおよび抗うつ薬の使用で調整を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・フォローアップ中に68例(9.8%)の死亡が確認された。
・死亡患者のうち40例(59%)は自然死、26例(38%)は不自然死であった。
・抗精神病薬未使用は、使用と比較し、死亡リスクが2.15倍高かった(p=0.01、信頼区間:1.24~3.72)。
・抗精神病薬の使用と未使用との死亡リスクの差は、年齢に依存しており、若年患者においてリスクの差が最も大きかった。

 著者らは「統合失調症患者に対する抗精神病薬未使用は、死亡リスクを2倍増加させる可能性が示唆された」としている。

(鷹野 敦夫)