がん悪液質は非小細胞肺がんIO-Chemo治療の予後不良因子か

提供元:ケアネット

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公開日:2021/08/12

 

 がん悪液質は免疫チェックポイント阻害薬の単剤療法の予後不良因子であることが示されているが、化学免疫療法に関する、その関係の検討は少ない。京都府立医科大学の森本健司氏らは後ろ向き解析により、非小細胞肺がん(NSCLC)において、がん悪液質が化学免疫療法予後の不良因子である可能性を明らかにした。

 わが国の12施設で化学免疫療法を受けたNSCLC患者を対象に医療記録を後ろ向きに解析した。がん悪液質の定義は、化学免疫療法開始前6ヵ月以内の、5%以上の全体重減少、BMI20 kg/m2の対象者では2%を超える全体重減少とした。

 主な結果は以下のとおり。

・対象は2019年1月~11月に登録され、解析対象に適格となった患者は196例であった。
・解析対象のうち25.5%(50例)が悪液質診断の基準を満たしていた。
・がん悪液質患者では非がん悪液質患者に比べ、PD-L1発現50%以上の頻度が、有意に高かった(48%、p=0.01)
・がん悪液質患者の無増悪生存期間は、非がん悪液質の患者に比べ有意に短かった(p=0 .04)
・全生存期間(OS)については、がん悪液質患者と非がん悪液質患者間の関係は認めなかった(p=0.14)。

(ケアネット 細田 雅之)