不眠症とメタボリックシンドロームリスク~メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2021/07/30

 

 不眠症と高血圧、高血糖、脂質異常症、肥満などのメタボリックシンドロームリスクとの関連を調査するため、中国・Third Military Medical UniversityのYuanfeng Zhang氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Journal of Clinical Neuroscience誌2021年7月号の報告。

 PRISMAガイドラインに従ってメタ解析を実施した。PubMedおよびEmbaseより、不眠症とメタボリックシンドロームリスクとの関連を調査した2020年12月1日までに公表された観察研究を検索した。各研究のリスク推定値を集計し、プールされたデータのオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出するため、ランダム効果モデルを用いた。研究の不均一性は、I2統計量を用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・高血圧、高血糖、脂質異常症、肥満のメタボリックシンドロームに関連する症状を含む12件の研究を、最終的にメタ解析に含めた。
・不眠症患者のメタボリックシンドロームに関連する症状のリスクは、以下のとおりであった。
 ●高血圧:OR=1.41(95%CI:1.19~1.67)
 ●高血糖:OR=1.29(95%CI:1.11~1.50)
 ●脂質異常症:OR=1.12(95%CI:0.92~1.37)
 ●肥満:OR=1.31(95%CI:1.03~1.67)

 著者らは「不眠症患者では、そうでない人と比較し、高血圧、高血糖、肥満のリスクがそれぞれ1.41倍、1.29倍、1.31倍高かった」としている。

(鷹野 敦夫)