COVID-19診療手引きを更新、デルタ株や後遺症などを追記/厚労省

提供元:ケアネット

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公開日:2021/07/08

 

 厚生労働省は、「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き」について、最新の知見を踏まえて更新した「第5.1版」を作成し、6月5日付で都道府県などに周知した。最新版では、懸念される変異株の概要を更新し、インドで最初に検出された「デルタ株」について、推定される感染性や重篤度、ワクチンへの影響などが詳しく記載された。また、症状の遷延(いわゆる後遺症)について、日本国内の複数の調査(厚生労働科学特別研究事業)の中間集計報告が追記されている。

 診療の手引き・第5.1版の主な改訂ポイントは以下のとおり。

【病原体・疫学】
・変異株について更新、懸念される変異株(VOC)の呼称にギリシャ文字を使用
・主要なVOCの概要を更新、B.1.617.2系統の変異株(デルタ株)について追加
・国内発生状況を更新 →2021年6月29日までのデータを追記
【臨床像】
・重症化マーカーTARCについて追加
・症状の遷延(いわゆる後遺症)について厚生労働科学特別研究事業の中間集計報告を追加
【症例定義・診断・届出】
・病原体診断について更新
【重症度分類とマネジメント】
・ECMO、血液浄化療法について更新
・ワクチン接種後に生じる血小板減少症を伴う血栓症(TTS)について追加(参考)
・患者急増の際の入院優先度判断の考え方について追加(参考)
【薬物療法】
・有効性を認めなかった薬剤にカモスタットを追加
・ファビピラビルを妊娠する可能性のある婦人に投与する場合の注意喚起を更新
・ナファモスタット吸入薬の開発中止について記載
・企業治験中のAT-527、GSK3196165IV、GSK4182136、REGN-COV2を追加
【院内感染対策】
・環境整備について更新
【退院基準・解除基準】
・期間計算のイメージ図を更新

(ケアネット 鄭 優子)