日本における統合失調症患者の早期再入院の減少につながる院内看護

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/16

 

 統合失調症は、精神症状の再発を特徴とする疾患である。統合失調症入院患者の15~30%は、退院後90日以内に自傷行為、他傷行為、セルフネグレクトにつながる症状の悪化により再入院している。椙山女学園大学の牧 茂義氏らは、統合失調症患者の早期再入院減少につながる院内看護の構造およびその予測因子を調査するため、横断的研究を行った。PLOS ONE誌2021年4月30日号の報告。

 調査対象は、日本の精神科病棟に勤務する正看護師724人。統合失調症患者の早期再入院の減少につながる院内看護について評価するため、質問票を新たに作成した。質問票を用いて、項目分析、探索的因子分析を行い、早期再入院減少につながる院内看護の構造を調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・早期再入院の減少につながる院内看護の因子は、以下の5つであった。
 ●認知機能とセルフケアの促進
 ●再入院の理由の特定
 ●コミュニティーでの協力体制の確立
 ●コミュニティー生活に関する目標共有
 ●安らぎの空間
・早期再入院の減少につながる院内看護を予測する因子は、以下の3つであった。
 ●臨床実践における病棟看護師用尺度(nursing excellence scale)のスコア
 ●治療的な関心のスコア
 ●退院前カンファレンスへの地域ケア提供者の参加

 著者らは「日本の精神科看護師は、早期入院の減少につながる5つの因子に基づいて看護を行っている。このような看護ケアは、看護師の優秀さだけでなく、看護師の環境的要因、とくに病棟の治療環境や退院前のカンファレンスへの地域ケア提供者の参加によってさらに促進されるであろう」としている。

(鷹野 敦夫)