COVID-19診療の手引きの第5版を公開/厚生労働省

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2021/05/28

 

 5月26日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第5版」を公開した。

 同手引きは診療の手引き検討委員会が中心となって作成され、第1版は2020年3月17日に、第2版は5月18日に、第3版は9月4日に、第4版は12月4日に公表され、細かい改訂など随時最新の内容に更新されている。

 今回の改訂では、前版以降の知見の拡充を行い、とくに血栓対策の治療、投与すべきでない薬剤(ヒドロキシクロロキンなど)の記載、新しく追加承認されたバリシチニブの追加、ファビピラビルの観察研究結果の更新などが反映されている。

今回の主な改訂点

【病原体・疫学】
・変異株について感染性や重篤度、ワクチンへの影響などの情報を更新
【臨床像】
・剖検の調査による報告を追加
・重症化リスク因子に妊娠後期を追加
・血栓塞栓症、小児家庭内感染、小児多系統炎症性症候群の国内データを追加
【症例定義・診断・届出】
・病原体診断を更新(新型コロナウイルス感染症病原体検査の指針・第3.1版に対応)
・届出は原則としてHER-SYSを活用することと記載
【重症度分類とマネジメント】
・中等症IIにおけるネーザルハイフロー・CPAP使用回避の記述を削除
・自宅療養者に対して行う治療プロトコールを追加
・血栓症対策の治療内容を更新
【薬物療法】
・投与すべきでない薬剤(ヒドロキシクロロキン、リトナビル)について記載
・国内で承認されている医薬品にバリシチニブ(2021年4月23日追加承認)を追加
・ファビピラビルの国内での観察研究結果を更新
【院内感染対策】
・感染者の授乳について更新
・ネーザルハイフロー使用時の感染対策を記載
【退院基準・解除基準】
・懸念される変異株(VOC)感染者も同様の退院基準であることを記載
・人工呼吸器などによる治療を行った場合を追加

(ケアネット 稲川 進)