オシメルチニブの肺がんアジュバント、化学療法歴の有無にかかわらずDFS延長/アストラゼネカ

アストラゼネカ社は、2021年2月8日、第III相ADAURA試験の探索的解析の良好な結果から、オシメルチニブ、(商品名:タグリッソ)が、EGFR遺伝子変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、術後補助化学療法歴の有無、また疾患のステージにかかわらず、無病生存期間(DFS)を延長することが示されたと発表した。これは、昨年発表された術後補助療法におけるオシメルチニブの主要評価項目であるDFSの顕著な延長という結果をさらに支持するものとしている。同試験の結果は、国際肺癌学会(IASLC)が主催する2020年世界肺癌学会(WCLC)(2021年1月開催)で発表された。
全症例を対象としたこの探索的解析において、オシメルチニブによる術後補助療法は、術後補助化学療法歴のある患者では再発または死亡リスクを84%減少させ(HR:0.16、95%CI:0.10〜0.26)、術後補助化学療法歴のない患者では77%減少させた(HR:0.23、95%CI:0.13〜0.40)。なおDFSの延長の有用性は各ステージで同程度であった。
さらに、ADAURA試験で実施された患者報告アウトカムに関する探索的事後解析では、オシメルチニブの投与を受けた患者の生活の質は維持されており、オシメルチニブ投与群とプラセボ投与群とでは身体的または精神的健康度に関して臨床的に意義のある差はなかったことが示された。
オシメルチニブの安全性と忍容性はこれまでの試験と一致しており、治験担当医師評価によるGrade3以上の有害事象発生率は、オシメルチニブ投与群で20%、プラセボ投与群で13%であった。
(ケアネット 細田 雅之)
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