COVID-19によるうつ症状や孤独感と社会的および性的つながりとの関係

米国・インディアナ大学のMolly Rosenberg氏らは、COVID-19によるうつ症状や孤独感の有症率を推定し、社会的および性的つながりの頻度との関係について調査を行った。Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology誌オンライン版2021年1月2日号の報告。
18~94歳の米国成人の代表的なサンプル1,010例を対象に2020年4月10日~20日にオンライン横断調査を実施した。うつ症状(CES-D-10スケール)、孤独感(UCLA3項目孤独感尺度)、対面およびリモートでの社会的つながりの頻度(家族とのハグ、ビデオチャットなど4項目)、性的関係の頻度(パートナーとの性的関係、マッチングアプリの使用など4項目)について調査した。
主な結果は以下のとおり。
・対象者の3分の1にうつ症状が認められ(32%)、孤独感が高かった(平均:4.4±1.7)。
・うつ症状を有する人は、女性、20~29歳、未婚、低所得である可能性が高かった。
・非常に頻繁な対面によるつながりは、うつ症状や孤独感の低下と関連が認められたが、頻繁なリモートによるつながりでは、この関連は認められなかった。
著者らは「米国におけるCOVID-19パンデミックの初期において、うつ症状や孤独感の上昇が認められた。リモートではなく、対面による社会的および性的つながりを維持した人では、メンタルヘルスのより良い結果が得られた。COVID-19に対する社会的な制限は依然として必要であるが、高リスクの人のためのメンタルヘルスサービスの拡充、リモートによる社会的および性的なつながりを維持する効果的な方法の特定が重要となる」としている。
(鷹野 敦夫)
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