デュルバルマブ、進展型小細胞肺がんに国内適応拡大/アストラゼネカ

提供元:ケアネット

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公開日:2020/08/26

 

 アストラゼネカは、2020年8月21日、デュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)について、化学療法(エトポシドおよびカルボプラチンまたはシスプラチン)との併用療法で、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)を適応症に厚生労働省より承認を取得したと発表。

 デュルバルマブに対する今回の承認は、デュルバルマブと化学療法との併用療法が、化学療法単独との比較において、統計学的に有意で臨床的に意義のある全生存期間(OS)の延長を示した第III相CASPIAN試験の結果に基づいている。

 2019年6月、CASPIAN試験において、デュルバルマブと化学療法との併用療法は、化学療法単独との比較で主要評価項目であるOSの延長を示し、死亡リスクを27%低下させた(ハザード比:0.73、95%信頼区間:0.59~0.91、p=0.0047)。OS中央値は化学療法単独群の10.3ヵ月に対し、デュルバルマブと化学療法との併用療法群では13.0ヵ月であった。また、デュルバルマブと化学療法との併用療法群では、客観的奏効率(Confirmed)の増加(化学療法単独群58%に対して、デュルバルマブと化学療法との併用療法群68%)が示され、化学療法にデュルバルマブを追加することで、肺がん関連の症状が悪化するまでの期間が延長することが示された。

 最新の解析データでは、追跡期間中央値が2年を超えた時点でも、デュルバルマブと化学療法との併用療法による持続的な有効性が示され(OSハザード比:0.75、95%信頼区間:0.62 ~0.91、p=0.0032)、OS中央値は化学療法単独群の10.5ヵ月に対し、デュルバルマブと化学療法との併用療法群では12.9ヵ月であった。デュルバルマブと化学療法との併用療法の安全性および忍容性は、これらの医薬品の既知の安全性プロファイルと一致していた。

 デュルバルマブとエトポシドおよびカルボプラチンまたはシスプラチンとの併用療法は、のES-SCLCの1次治療薬として、米国および世界中の数ヵ国で承認されている。

(ケアネット 細田 雅之)