新型コロナ、無症状者のウイルス排出量と臨床経過

提供元:ケアネット

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公開日:2020/08/14

 

 無症状のSARS-CoV-2感染者の臨床経過とウイルス量に関する情報は少ない。今回、韓国・天安の地域治療センターに隔離されたSARS-CoV-2感染者のコホート研究で、感染者のウイルス排出を定量的に調べたところ、多くの感染者が長期間無症状で、無症状者のウイルス量は有症状者と同等であることが示唆された。報告した韓国・Soonchunhyang University Seoul HospitalのSeungjae Lee氏らは、この結果から「SARS-CoV-2の蔓延を防ぐために、無症状感染者の隔離が必要」としている。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2020年8月6日号に掲載。

 本研究は、2020年3月6~26日にSARS-CoV-2感染が認められ、韓国・天安の地域治療センターで隔離された無症状または有症状の303例を対象とした後ろ向き研究である。著者らは、人口統計学的特性、併存症、症状に関するデータとSARS-CoV-2の逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)検査の結果を収集し分析した。隔離の終了については、上気道検体(鼻咽頭および中咽頭スワブ)と下気道検体(喀痰)のRT-PCR検査の結果に基づき、隔離から8、9、15、16日目に決定した。医師の裁量で10、17、18、19日目に上気道または下気道検体のRT-PCR検査を行った。RT-PCR検査におけるCycle threshold(Ct)値を無症状患者と有症状患者の両方で測定した。

 主な結果は以下のとおり。

・SARS-CoV-2感染者303例のうち、年齢中央値(四分位範囲)は25(22~36)歳、女性が201例(66.3%)であった。
・併存症を有する感染者は12例(3.9%)で、高血圧10例、がん1例、喘息1例であった。
・SARS-CoV-2感染者303例のうち193例(63.7%)は隔離時に症状があった。
・無症状患者110例(36.3%)のうち21例(19.1%)が隔離中に症状が出現した。これらの患者におけるSARS-CoV-2検出から発症までの期間の中央値(四分位範囲)は15(13~20)日であった。
・診断から14日目と21日目に陰性になった感染者の割合は、無症状患者ではそれぞれ33.7%と75.2%、有症状患者(隔離中に発症した患者を含む)ではそれぞれ29.6%と69.9%であった。
・診断から最初に陰性となるまでの中央値(SE)は、無症状患者で17(1.07)日、有症状患者で19.5(0.63)日であった(p=0.07)。
・下気道検体のエンベロープ(env)遺伝子のCt値から、無症状患者における診断から退院までのウイルス量は、有症状患者(隔離中に発症した患者を含む)よりもゆっくり減少する傾向があることが示された(β=-0.065[SE:0.023]、p=0.005)。

(ケアネット 金沢 浩子)