超速効型インスリン ルムジェブを発売/日本イーライリリー

提供元:ケアネット

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公開日:2020/06/30

 

 6月17日、日本イーライリリーは、超速効型インスリンアナログ製剤(遺伝子組換え)インスリンリスプロ(商品名:ルムジェブ注)の「同ミリオペン」、「同ミリオペンHD」、「同カート」「同100単位/mL」を「インスリン療法が適応となる糖尿病」を効能・効果として新発売した。

 本剤は、より良い血糖コントロールの実現のために、健康な人のインスリン分泌により近いインスリン動態の再現を目指し開発された薬剤。

 既存の超速効型インスリンアナログ製剤の有効成分に添加剤を加えることで、皮下からの吸収を速め、日本人1型糖尿病患者において従来の製剤と比べて最高濃度の50%に達する時間を13分、曝露持続時間を88分短縮し、速やかなインスリン作用発現および消失を実現した。

 本剤は通常、食事開始時(食事前2分以内)に1回2~20単位を皮下注射する。そのため、患者が食事内容を確認した上で、「いただきます」のタイミングで投与することが容易となり、処方薬剤の変更によって患者の現在の生活リズムを大きく変える必要がない。また、必要な場合は食事開始後20分以内に投与することも可能。

 同社では、「本剤は、健康な方のインスリン分泌により近いインスリン動態を持つ有望な新薬。食後の血糖値を目標範囲内に収めるための新たな選択肢」と期待を寄せている。

ルムジェブ注の概要

一般名:インスリンリスプロ(遺伝子組換え)
商品名:
 ルムジェブ注ミリオペン
 ルムジェブ注ミリオペンHD
 ルムジェブ注カート
 ルムジェブ注100単位/mL
効能・効果:インスリン療法が適応となる糖尿病
用法・用量:
 通常、成人では1回2~20単位を毎食事開始時に皮下注射するが、必要な場合は食事開始後の投与も可能。時に投与回数を増やしたり、持続型インスリン製剤と併用したりすることがある。投与量は、患者の症状および検査所見に応じ適宜増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量としては通常1日4~100単位。
(ルムジェブ注100単位/mLのみ)必要に応じ持続皮下注入ポンプを用いて投与する。
薬価:
 ルムジェブ注ミリオペン(300単位1キット)1,400円
 ルムジェブ注ミリオペンHD(300単位1キット)1,400円
 ルムジェブ注カート(300単位1筒)1,175円
 ルムジェブ注100単位/mL(100単位1mLバイアル)277円
製造販売承認日:2020年3月25日
薬価基準収載日:2020年5月20日
発売日:2020年6月17日

(ケアネット 稲川 進)

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