双極性障害患者の精神疾患合併症の調査

提供元:ケアネット

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公開日:2020/06/08

 

 双極性障害(BD)患者では、ほかの精神疾患を合併することが少なくない。いくつかの研究では、BD発症前後でみられる精神疾患の発症について、システマティックに調査が行われている。モナコ・Hospital Princesse GraceのJ. Loftus氏らは、成人BD患者における精神疾患の合併率と発症年齢について調査を行った。Journal of Affective Disorders誌2020年4月15日号の報告。

 寛解期のフランス人BD患者739例を対象に、アルコールや大麻乱用、自殺企図、不安症、摂食障害の既往例および発症年齢について、構造化された臨床面接により収集した。性別またはサブタイプ別に層別化されたBD群における精神疾患の合併率と発症年齢の統計学的に有意な関連は、回帰分析を用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・アルコールや大麻の乱用歴は、男性およびBD-Iとの関連が認められた。
・不安症や摂食障害の多くは、女性との関連が認められた。
・パニック症、広場恐怖症、アルコール乱用を除くほとんどの合併した精神疾患の発症年齢は、BD発症前に認められた。
・合併症の発症年齢は、サブタイプ間で差が認められなかった。
・なお、本研究はレトロスペクティブでの評価であり、合併率の推定や一部の合併症の正確な発症年齢については、想起バイアスリスクの可能性がある。

 著者らは「BD患者の性別やBDサブタイプは、精神疾患の合併率の差と関連していたが、合併症の発症年齢の差は、あまり認められなかった。BD患者の合併症の時系列的なシークエンスにより、BD発症後の合併症の発症は少ないことが実証された。これらの疾患は、早期2次予防を目的とした介入の影響を受けやすいため、注意が必要である」としている。

(鷹野 敦夫)