ソーシャルメディア使用時間とうつ病や大量飲酒との関連

提供元:ケアネット

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公開日:2019/07/24

 

 思春期のソーシャルメディアの使用は、さまざまな否定的なアウトカムにつながっているが、この関連性については明らかとなっていない。ノルウェー・Norwegian Institute of Public HealthのGeir Scott Brunborg氏らは、ソーシャルメディアに費やされた時間の変化が、思春期のうつ病、問題行動、一過性の大量飲酒と関連しているかを、一階差分(first-differencing:FD)モデルを用いて検討を行った。Journal of Adolescence誌7月号の報告。

 ノルウェーの青年763人(男性の割合:45.1%、平均年齢:15.22±1.44歳)を対象に、6ヵ月間隔で2つのアンケートを実施した。ソーシャルメディアに費やされた時間の変化とうつ症状、問題行動、一過性の大量飲酒との関連性は、すべての時系列の要因を効果的にコントロールする統計手法であるFDモデルを用いて推定した。また、スポーツの頻度、教師不在でのレジャーの頻度、友人関係の問題の3つを経時的推定交絡因子として検討を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・3つの推定交絡因子で調整した後、ソーシャルメディアに費やされた時間の増加は、うつ症状(b=0.13、95%CI:0.01~0.24、p=0.038)、問題行動(b=0.07、95%CI:0.02~0.10、p=0.007)、一過性の大量飲酒(b=0.10、95%CI:0.06~0.15、p<0.001)の増加と関連が認められた。
・しかし、これらの関連に対するエフェクトサイズは、あまり大きくはなかった。

 著者らは「思春期においてソーシャルメディアに費やされた時間が増加すると、うつ症状、問題行動、一過性の大量飲酒の増加と、わずかではあるが関連することが示唆された」としている。

(鷹野 敦夫)