ダパグリフロジン、糖尿病患者の腎保護示す-DECLARE‐TIMI 58サブ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2019/07/08

 

 近年、SGLT2阻害剤はアテローム性動脈硬化症患者の腎アウトカムに対し、有益な効果を示すことが明らかになりつつある。今回、イスラエル・Hadassah Hebrew University Hospital のOfri Mosenzon氏らがDECLARE-TIMI 58のサブ解析を実施。ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)が、腎機能を保持している2型糖尿病患者において、アテローム性動脈硬化症の有無にかかわらず、プラセボと比較して腎疾患の予防および進展抑制を示す結果が得られた。Lancet Diabetes & Endocrinology誌オンライン版2019年6月10日号に掲載された。

 研究者らは、複合アウトカムの構成要素、サブグループ解析、さまざまな時点でのeGFRの変化を調査する目的でサブ解析を実施。HbA1cが6.5〜12.0%(47.5〜113.1mmol/mol)の2型糖尿病で、アテローム性動脈硬化症または複数の危険因子を有し、クレアチニンクリアランス60mL/分以上の患者を、1日1回ダパグリフロジン10mg服用群またはプラセボ服用群に1対1に無作為に割り付けた。事前に規定した副次評価項目としての心腎複合アウトカムは、eGFR(推定糸球体濾過量)60mL/分/1.73m2未満かつ40%以上の持続的低下、末期腎不全(90日以上の透析、腎移植、またはeGFRが15mL/分/1.73m2未満を持続)、あるいは腎・心血管系による死亡であった。また、腎特異的複合アウトカムからは、心血管死を除外した。

 主な結果は以下のとおり。

・試験は2013年4月25日~2018年9月18日に実施された。
・追跡期間中央値は4.2年(四分位範囲3.9~4.4)だった。
・参加者1万7,160例が無作為に割り付けられた。
・各参加者のベースライン時のeGFRは、90mL/分/1.73m2以上が8,162例(47.6%)、60〜90mL/分/1.73m2未満が7,732例(45.1%)、60mL/分/1.73m2未満が1,265例(7.4%)であった(eGFRのデータ消失が1例)。
・6,974例(40.6%)はアテローム性動脈硬化症を発症し、1万186例(59.4%)は複数の危険因子を有していた。
・副次評価項目としての心腎複合アウトカムは、プラセボと比較してダパグリフロジンで有意に減少した(ハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.67~0.87、p<0.0001)。心血管死を除外した後の腎特異的アウトカムは、HRが0.53(95%CI:0.43~0.66、p<0.0001)で、eGFR60mL/分/1.73m2未満で40%以上の持続的低下がみられた患者において、46%減少していた(120例[1.4%] vs.221例[2.6%]、HR:0.54、95%CI:0.43~0.67)、p<0.0001)。
・末期腎不全または腎関連による死亡リスクは、ダパグリフロジン群のほうがプラセボ群よりも低かった(11例[0.1%] vs.27例[0.3%]、HR:0.41、95%CI:0.20~0.82、p=0.012)。ベースライン時に定めたeGFRなど、事前に規定したさまざまなサブグループにおいて、ダパグリフロジンとプラセボの両群で心腎複合アウトカムおよび腎特異的複合アウトカムの双方が改善(それぞれの交互作用のpは0.97、0.87)し、アテローム性動脈硬化症の有無が影響していた(それぞれの交互作用のpは0.67、0.72)。
・試験開始6ヵ月後のeGFRの平均減少率は、ダパグリフロジン群がプラセボ群よりも高かった。しかし、2年間の平均変化率は同等であり、3~4年間でみた場合のeGFR平均減少率は、ダパグリフロジンのほうがプラセボより少なかった。

(ケアネット 土井 舞子)