正常眼圧緑内障にも遺伝子変異の関与が示唆

提供元:ケアネット

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公開日:2019/03/19

 

 原因が特定されていない正常眼圧緑内障(NTG)について、ミオシリン(MYOC)遺伝子変異にp.Gln368Terが関与しているとの知見が報告された。MYOC遺伝子変異は、原発開放隅角緑内障における緑内障遺伝子として同定されている。今回、米国・アイオワ大学のWallace L. M. Alward氏らは2つの症例対照研究を行い、p.Gln368Terの関連を調査。その結果、NTG患者への関連頻度は、既報の高眼圧(IOP)患者のそれよりは低かったものの認められることを報告した。p.Gln368Terについては、これまでに最大30mmHg以上のIOPの原発開放隅角緑内障患者で1.6%の関連が報告されている。一方、眼圧21mmHg以下のNTG患者での関連は不明であった。著者は、「IOP患者と同様、21mmHg以下の正常眼圧患者においても、p.Gln368Terが緑内障と関連している可能性が示唆された」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2019年2月28日号掲載の報告。

 研究グループは、NTG患者のMYOC遺伝子変異におけるp.Gln368Terの役割を評価する目的で、症例対照研究を実施。コホート1は、米国(アイオワ、ミネソタおよびニューヨーク)およびイギリスのNTG患者772例と対照者2,152例。コホート2には、Massachusetts Eye and Ear InfirmaryとNEIGHBORHOOD consortiumのNTG患者561例と対照者2,606例が含まれていた。

 ジェノタイピングには、リアルタイムPCR(サンガー法)、imputation法によるゲノムワイド関連解析(GWAS)または全エクソーム解析(WES)を用いた。解析期間は2007年4月~2018年4月、主要評価項目はNGTのMYOC遺伝子変異におけるp.Gln368Terの発現頻度で、フィッシャーの直接確率検定により対照群と比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・全解析対象6,091例中、女性が3,346例(54.9%)、白人が5,799例(95.2%)であった。
・p.Gln368Terの発現頻度は、コホート1:NTG患者群0.91%(7/772例)、対照群0.33%(7/2,152例、p=0.03)、コホート2:0.71%(4/561例)、0.38%(10/2,606例、p=0.15)であった。
・両コホートを合わせると、p.Gln368Terの発現頻度はNTGと関連していた(オッズ比:2.3、95%信頼区間[CI]:0.98~5.3、p=0.04)。

(ケアネット)