双極性障害と統合失調感情障害の維持治療に対する持効性注射剤抗精神病薬に関するシステマティックレビュー

提供元:ケアネット

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公開日:2019/03/12

 

 抗精神病薬の長時間作用型持効性注射剤(LAI)は、主に統合失調症スペクトラム障害における服薬アドヒアランス不良を改善するために用いられる。スペイン・バルセロナ大学のIsabella Pacchiarotti氏らは、双極性障害(BD)および/または統合失調感情障害(SAD)に対する抗精神病薬LAIとプラセボまたは経口剤を比較した利用可能なエビデンスの要約を行った。European Neuropsychopharmacology誌オンライン版2019年2月12日号の報告。

 長時間作用型の抗精神病薬と疾患名(BD、SAD、躁病[maniaまたはmanic]、双極性うつ病)を検索ワードとし、2018年3月28日までの研究を6つのデータベースより検索した。BDにおけるいくつかの臨床アウトカムについてLAIとの比較を行ったピアレビュー二重盲検試験、またはレトロスペクティブ評価期間と同じプロスペクティブなオープンミラー試験を含めた。統合失調症とSADを区別することなく、混合して評価した試験は除外した。

 主な結果は以下のとおり。

・プールされた症例数は、642例であった。
・重複および包括除外基準により除外したところ、15試験が抽出された。内訳は、二重盲検試験6件、オープンラベル試験9件であり、対象患者別では、BDが13件、SADが2件であった。
・LAIには、躁病の予防効果が認められたが、うつ病の再発予防効果は認められず、うつ症状を悪化させる可能性が示唆された。
・リスペリドンLAIは、プラセボと比較し、気分症状/躁症状に効果的であるが、うつ症状の再発には効果が認められなかった。
・SAD患者に対するパルミチン酸パリペリドンの追加および単剤療法は、精神病性症状、うつ病性症状、躁病性症状への効果が認められた。
・試験登録時に躁病エピソードを有していた双極I型障害(BD-I)患者に対するアリピプラゾールLAIは、うつ病エピソードを誘発することなく、躁病エピソードの再発までの期間を有意に延長させた。

 著者らは「LAI治療は、BDおよびSADに対し効果的かつ忍容性の高い維持療法であり、うつ病よりも躁病の予防に優れた有効性を示すことが示唆された。LAIは、躁病エピソードが強い、アドヒアランス不良なBD-I、SAD患者において、第1選択薬となりうる」としている。

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(鷹野 敦夫)