睡眠時間の変化と認知症発症リスクとの関連~大崎コホート2006 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/09/10 東北大学の陸 兪凱氏らは、高齢者における睡眠時間の変化と認知症発症リスクとの関連について調査を行った。Sleep誌オンライン版2018年7月25日号の報告。 2006年に宮城県大崎市在住の65歳以上で障害のない日本人高齢者7,422例を対象に、コホート研究を実施した。対象者の睡眠時間は、自己報告アンケートを用いて、1994年と2006年に評価を行った。1994年と2006年のアンケートより得られた睡眠時間から、対象者を睡眠時間の変化に応じて5群に分類した。認知症発症に関するデータは、公的介護保険データベースより抽出し、対象者を5.7年間(2007年4月~2012年11月)フォローアップした。認知症発症の多変量調整ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)は、Cox比例ハザードモデルを用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。 ・3万6,338人年のフォローアップ期間中に、688例が認知症を発症した。 ・睡眠時間の変化がなかった対象者と比較し、睡眠時間が1時間増加した対象者の多変量HRは1.31(95%CI:1.07~1.60)、2時間以上増加した対象者の多変量HRは2.01(1.51~2.69)であった。 著者らは「高齢者における睡眠時間の増加は、認知症発症リスクの上昇と有意な関連が認められた。睡眠と認知症との関連性を確認するためには、有効性が確認された測定法を用いた今後の研究が必要である」としている。 ■関連記事 日本食は認知症予防によい:東北大 「最近、睡眠時間が増えた」は認知症のサインかも 睡眠不足だと認知症になりやすいのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Lu Y, et al. Sleep. 2018 Jul 25. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 認知症リスクが高い睡眠時間は?~久山町研究 医療一般 日本発エビデンス(2018/06/13) お米を食べるほど睡眠は良質に? 医療一般 日本発エビデンス(2014/08/26) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 術後VTEの予防、REGN7508Catがエノキサパリンを上回る/Lancet(2025/12/08) 宅配DASH食+カウンセリングで血圧は改善するか/JAMA(2025/12/08) 成人期発症の再発型ネフローゼ症候群に対する抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/12/08) 10人に1人が糖尿病疑い、男性は3割が肥満/国民健康・栄養調査2024(2025/12/08) HR+/HER2-進行乳がん1~2次治療、パルボシクリブvs.ribociclib vs.アベマシクリブ(2025/12/08) 若年女性の4人に1人が低体重:運動習慣が与える影響はBMIで異なる(2025/12/08) 多くの若者がAIチャットボットにメンタルヘルスの問題を相談(2025/12/08) 代謝異常を伴う脂肪肝「MASLD」、慢性腎臓病の独立リスクに(2025/12/08) [ あわせて読みたい ] 非機器的早期運動療法はDVT発生率を低減【論文から学ぶ看護の新常識】第1回(2025/02/05) トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11)