大うつ病と自殺念慮に関する治療抵抗性うつ病研究グループの報告 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/07/02 大うつ病性障害(MDD)の自殺念慮を解明するため、オーストリア・ウィーン医科大学のMarkus Dold氏らが、欧州多施設共同研究を実施した。これまでの調査において、MDD患者の自殺念慮の有病率は、50%以上であることが示唆されているが、社会人口統計学的、心理社会的、臨床的な特徴と自殺念慮との関連については、あまり知られていなかった。The international journal of neuropsychopharmacology誌2018年6月1日号の報告。 ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)の項目3(自殺傾向)の評価に基づき、うつ病患者1,410例を3群(0:自殺念慮なし、1~2:軽度~中等度の自殺念慮、3~4:重度の自殺念慮)に分類した。データ解析には、χ2検定、共分散分析、スピアマン相関分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・MDD患者の自殺念慮の有病率は、46.67%であった(HAM-D項目3のスコアが1以上)。 ・対象患者の重症度別の内訳は、自殺念慮なし群53.33%、軽度~中等度群38.44%、重度群8.23%であった。 ・自殺念慮のレベルに応じたMDD患者サンプルを層別化したところ、自殺念慮なし群と比較し、軽度~中等度群では、以下の社会人口統計学的、心理社会的、臨床的な因子が特定された。 ●抑うつ症状の重症度 ●治療抵抗性 ●精神病性特徴 ●一般的な併用薬 ・重度群のみで認められた因子は、以下のとおりであった。 ●入院治療 ●抗精神病薬およびベンゾジアゼピンによる増強療法 ●メランコリックな特徴 ●併存身体疾患 著者らは「軽度~中等度の自殺念慮でさえ、治療反応を達成できないことに関連しているため、実臨床においては、これらの因子を十分に考慮する必要がある」としている。 ■関連記事 自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か 思春期の少年少女における自殺念慮の予測 自殺予防の介入効果はどの程度あるのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Dold M, et al. Int J Neuropsychopharmacol. 2018;21:539-549. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 若者の自殺念慮に至る2つの経路とは? 医療一般 (2025/07/31) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 人工関節置換術後のVTE予防、アスピリン単独は有用か?/NEJM(2026/07/24) 既治療CLL/SLL、ピルトブルチニブ+VRでPFS改善(BRUIN CLL-322)/Lancet(2026/07/24) 新ガイドラインで変わり始めたうつ病治療/塩野義(2026/07/24) PCI実施の急性冠症候群患者、LDL-C40未満でMACEリスク最小化/CVIT(2026/07/24) 双極症の躁状態における白質の構造変化が判明(2026/07/24) 不規則な食事時間が老化を早める!?(2026/07/24) チルゼパチドvs.セマグルチド、日本における肥満症患者の体重減少効果は?(SURMOUNT-5サブ解析)(2026/07/24) 高用量DHAサプリ、認知機能低下の抑制効果示せず(2026/07/24) [ あわせて読みたい ] 第51回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2026/04/28) 専門医が総合診療を使って成長する秘訣――50代からの学び直しのコツを教育のプロに聞く【ReGeneral インタビュー】第6回(2026/03/27) ケースで学ぶ輸液オーダー(2026/03/18) 僕はなぜ医者になったのか? 医療行政マンを原点に帰らせたある出来事「総合医育成プログラム」インタビュー【ReGeneral インタビュー】第5回(2026/02/25) キャリア中断後に見つけた 総合診療能力で専門性を強化する新しい診療スタイル【ReGeneral インタビュー】第4回(2026/02/05) 外科医のキャリア終盤に思い出した 何でも診られる医者への憧れ【ReGeneral インタビュー】第3回(2025/12/25) 50代半ばで精神科から一転・総合診療でへき地へ【ReGeneral インタビュー】第2回(2025/12/15) 「総合医育成プログラム」で広がる医師のキャリアと医療機関の未来【ReGeneral インタビュー】第1回(2025/11/24) スマートに進める治験/臨床研究~臨床研究中核病院に学ぶ~(2025/10/28)