不安症状や抑うつ症状と居住地の景観に関する横断的研究 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/04/25 自然のアウトドアな環境に触れることは、一般的な健康状態の改善と関連しているが、抑うつ症状や不安症状などの特定の精神症状に対する保護的な関連性についてのエビデンスは限られている。スペイン・ポンペウ・ファブラ大学のMireia Gascon氏らは、居住地域において緑色や青色の景観へ長期的に触れることによる、不安、抑うつおよびこれらに関連する薬剤への影響について評価を行った。また、この関連に対する潜在的な仲介因子および効果修飾因子についても検討を行った。Environmental research誌2018年4月号の報告。 本研究は、既存の成人コホート(ALFA:Alzheimer and Families)および2013~14年にリクルートしたバルセロナの成人958例に基づき実施された。各対象者が居住する地域の緑色と青色の景観(周囲の緑[NDVI]、緑の量[land-cover]、主要な緑色や青色の景観へのアクセス)については、異なるバッファ(100m、300m、500m)ごとに作成された。対象者は、医師により診断された不安、抑うつ症状および関連する薬剤使用歴について報告した。ロジスティック回帰モデルを用いて、関連性を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・周囲の緑の増加は、自己報告されたベンゾジアゼピンの使用歴の低下と関連していた(たとえば、300mバッファにおけるNDVIの四分位範囲1つの増加についてのオッズ比:0.62、95%CI:0.43~0.89)。主要な緑地へのアクセスは、自己報告されたうつ病歴と関連していた(オッズ比:0.18、95%CI:0.06~0.58)。 ・青色の景観については、統計学的に有意な関連性は認められなかった。 ・大気汚染(0.8~29.6%)と騒音(2.2~5.3%)は、観察された関連の一部を仲介していたが、身体活動と社会的支援の効果は軽微であった。 著者らは「本知見では、成人のメンタルヘルス(抑うつ症状や不安症状)に及ぼす緑地の保護的な効果が示唆されたが、これらのベネフィットおよび大気汚染や騒音などの影響について明らかにするためにも、今後さらなるエビデンス(とくに横断的研究)が求められる」としている。 ■関連記事 公園や緑地が少ないとうつ病になりやすいのか 低緯度地域では発揚気質が増強される可能性あり:大分大学 たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Gascon M, et al. Environ Res. 2018;162:231-239. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] GLP-1受容体作動薬、物質使用障害の予防や治療に有効か/BMJ(2026/03/13) 最新の人工股関節、30年後も92%が再置換術不要/Lancet(2026/03/13) nalbuphine:IPFに伴う慢性咳嗽に対する新しいアプローチ(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)(2026/03/13) 末梢動脈疾患(PAD)の症状改善にメトホルミンは無効(解説:小川大輔氏)(2026/03/13) PHSは過去のもの?それとも現役?/医師1,000人アンケート(2026/03/13) 胃がん術後の早期経口摂取、ガイドライン記載も実施は2割/日本胃癌学会(2026/03/13) 日本における妊娠および授乳中のブレクスピプラゾール投与、その安全性を評価(2026/03/13) 脳外傷後の迅速な神経リハがアルツハイマー病のリスクを抑制する(2026/03/13) エクソーム解析で家族性高コレステロール血症の遺伝子変異保有者を特定可能(2026/03/13) 身体活動習慣を維持することが中年期の累積ストレスの少なさと関連(2026/03/13) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)