統合失調症に対するミノサイクリン16週間治療後の血漿NO代謝物と陰性症状の変化 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/04/04 統合失調症患者に対する補助的ミノサイクリン治療の精神病理学的および関連性のあるバイオマーカーへの影響について、中国・中南大学のFang Liu氏らが検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2018年3月8日号の報告。 対象患者に対しミノサイクリン(200mg/日)またはプラセボ投与のいずれかを行った、16週間のランダム化二重盲検プラセボ対照研究。精神病理学は、ベースラインおよび16週目に陰性症状評価尺度(SANS)および陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)を用いて評価を行った。両時点での、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、インターロイキン-1β(IL-1β)、一酸化窒素(NO)代謝物の血漿レベルを評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・55例(ミノサイクリン群:27例、プラセボ群:28例)が研究を完遂した。 ・ミノサイクリン群は、プラセボ群と比較し、16週目のSANS総スコア、PANSS総スコア、PANSS陰性症状スコアの有意な減少が認められた。 ・ミノサイクリン群は、16週目のプラセボ群と比較し、血漿NO代謝物レベルの有意な低下が認められたが、血漿IL-1βまたはTNF-αレベルの有意な変化は認められなかった。 ・血漿NO代謝物レベル低下と陰性症状改善の少なさとの間には関連が認められた。 著者らは「統合失調症の陰性症状に対する補助的ミノサイクリン治療の効果は、NO経路以外のメカニズムを介して起こる可能性がある」としている。 ■関連記事 統合失調症にミノサイクリン投与、本当に有用か:藤田保健衛生 慢性期統合失調症、陰性症状に有効な補助療法 陰性症状に対する最新レビュー、有効性が確認されている治療は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Liu F, et al. Schizophr Res. 2018 Mar 8. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 胎児~2歳の砂糖摂取制限と成人期の心血管リスクの関係/BMJ(2025/10/30) 過体重/肥満へのセマグルチド、心血管リスク低下は体重減少に依存せず/Lancet(2025/10/30) 亜鉛欠乏がCKD患者のAKIリスクを37%上昇、死亡リスクは約2倍に(2025/10/30) 日本食はうつ病予防に有効なのか?(2025/10/30) 帯状疱疹後神経痛、発症しやすい人の特徴(2025/10/30) ダイエット飲料と加糖飲料はどちらもMASLDリスク(2025/10/30) 心室頻拍に定位放射線治療が有効か(2025/10/30) 世界最高齢者の長生きの秘密とは?(2025/10/30) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)