タバコ企業がらみの資金援助にNo! 北米の17公衆衛生大学院 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/02/23 2017年9月、フィリップ モリス インターナショナルは、Smoke-Free World財団に資金を提供するため、10億ドル近く寄付する予定であると発表した。この資金は、タバコによる死と疾病の減少を目指したものである。 一方、ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院のほか16校の米国とカナダの公衆衛生大学院は、2018年1月、このSmoke-Free World財団からの研究資金援助を拒絶する、17校の学長名が入った声明を出した。 ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院学長のEllen J. MacKenzie氏はHarvard T.H. Chan School of Public Healthのホームページの中で、「公衆衛生大学院の学長として、数多くの要素や科学的なベストプラクティスを考慮したうえで、われわれはこの基金からの資金援助を受け入れないことを発表する。この結果をもたらしたのは、何百万もの世界中の人々に死をもたらす製品を持つ企業と財団との密接な関係である」と述べている。 また、Smoke-Free World財団について声明では、「財団の最高経営責任者(CEO)は、財団の細則および構成は企業基金の使用基準を満たしていると表明しているが、この主張は真実ではない。研究アジェンダの透明性の欠如、フィリップ モリス インターナショナルの広報による利点、製品のマーケティングの増加という点が大きな違いである」としている。 声明では最後に、1)研究アジェンダがどのように確立されているか、2)フィリップ モリス インターナショナルと財団の間に完全なファイアウォールがあるのか、3)フィリップ モリス インターナショナルがこの資金援助をどのように活用するのか、4)フィリップ モリスがタバコ製品やその広告を段階的に廃止する具体的なタイムラインとマイルストーンなど企業としての取り組みをどう示すのか、といったことの詳細が明らかになれば、今の姿勢を再検討するための回答を探るとしている。 ■参考 Statement on the Foundation for a Smoke-Free World (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 加熱式タバコ、コロナ感染・重症化リスクを上昇/大阪公立大ほか 医療一般 日本発エビデンス(2023/02/10) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 切除可能胃・食道胃接合部がん、術前化学放射線療法の追加は有効か/NEJM(2024/10/07) 1型糖尿病への週1回efsitora、HbA1cの改善でデグルデクに非劣性/Lancet(2024/10/07) アルツハイマー病における妄想観念と抑うつ症状との関連性(2024/10/07) 毎日のナッツ摂取が認知症リスク低下と関連〜前向きコホート研究(2024/10/07) 世界初の眼球と部分顔面移植を受けた男性、1年後の状況は?(2024/10/07) セマグルチドがタバコ使用障害リスクを下げる可能性(2024/10/07) スマートマスクで呼気から健康状態をチェック(2024/10/07) 冠動脈疾患診断後、禁煙で発作リスク半減も減煙では無効(2024/10/07) [ あわせて読みたい ] トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17)