双極性障害患者における道路交通傷害リスクと薬物治療との関連 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/02/09 双極性障害患者の道路交通傷害リスクを調査するため、台湾・長庚大学のVincent Chin-Hung Chen氏らは、台湾の全国規模の人口データセットを用いて、非双極性障害患者との比較検討を行った。さらに、双極性障害と道路交通傷害リスクとの関連に対する、リチウム、抗てんかん薬、抗うつ薬、第1世代抗精神病薬、第2世代抗精神病薬の処方で推定される緩和効果についても調査を行った。Journal of affective disorders誌2018年1月15日号の報告。 16年間の縦断コホート研究の一環として、双極性障害と診断された16歳以上の患者における道路交通傷害リスクについて、年齢、性別を一致させた非双極性障害10サンプルとの比較を行った。ICD-9-CMコード(E800~807、E810~817、E819~830、E840~848)に基づく公的医療保険データベースを用いて、道路交通傷害の発生率を比較した。年齢や薬剤使用などの時間的に変化する共変量の調整には、時間依存性Cox回帰モデルを用いた。年齢、性別、その他の併存疾患、薬剤使用の調整前後のハザード比を算出した。 主な結果は以下のとおり。 ・双極性障害患者3,953例が、一般人口3万9,530例のコントロールと一致した。 ・双極性障害患者の道路交通傷害リスクの調整ハザード比は、コントロールと比較して、1.66倍(95%CI:1.40~1.97)の増加が認められた。 ・道路交通傷害リスクの低さは、女性、高齢者(80歳以上)、都市レベルの最も高い地域の居住者、抗うつ薬の使用との関連が認められた。 著者らは「本検討で、双極性障害は道路交通傷害リスクの増加と関連することが認められた。しかし、抗うつ薬の使用がリスクの緩和に役立つ可能性がある」としている。 ■関連記事 自動車事故リスク、うつ病や抗うつ薬ではどうか 車両運転事故、とくに注意すべき薬剤は 睡眠薬使用は自動車事故を増加させているのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Chen VC, et al. J Affect Disord. 2018;226:124-131. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] SGLT2阻害薬、自己免疫性リウマチ性疾患のリスクは?/BMJ(2025/10/24) 腹部大手術時の周術期血圧管理、個別化vs.通常/JAMA(2025/10/24) ALK陽性進行NSCLCへのアレクチニブ、OS中央値81.1ヵ月(ALEX)/ESMO2025(2025/10/24) 下剤のルビプロストン、重大な副作用にアナフィラキシー追加/厚労省(2025/10/24) 免疫療法の対象とならない進行TN乳がん1次治療、Dato-DXdがPFSとOSを延長(TROPION-Breast02)/ESMO2025(2025/10/24) 結腸がん術後ctDNAによるde-escalation、リスク低減も非劣性は示されず(DYNAMIC-III)/ESMO2025(2025/10/24) 寝たきり原因第1位「脳卒中」、最新治療アクセス改善と患者支援の最前線/日本脳卒中学会・日本脳卒中医療ケア従事者連合・日本脳卒中協会(2025/10/24) 父親の厳しい子育てが子供のメンタルヘルスに影響(2025/10/24) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)