ニボルマブ・イピリムマブ併用、MSI-H大腸がんで有効性/ASCO-GI2017

提供元:ケアネット

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公開日:2018/01/30

 

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は2018年1月20日、第II相CheckMate-142試験から、dMMRまたはMSI-Hの転移性大腸がん患者を対象にニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法を評価した新たなデータを発表した。これらのデータは、米国・サンフランシスコで開催された2018年消化器がんシンポジウム(ASCO-GI)において発表され、Journal of Clinical Oncology誌にも同時に掲載された。

 CheckMate-142試験は、高度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)および非MSI-Hの再発または転移性大腸がん患者を対象に、ニボルマブ単剤療法およびニボルマブと他剤の併用療法を評価した、国際共同第II相複数コホート非盲検非対照臨床試験。主要評価項目は、RECIST1.1に基づく治験担当医師の評価による奏効率(ORR)。その他の主な評価項目には、奏効期間(DOR)、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、病勢コントロール率(DCR)、盲検化された独立中央評価委員会(BICR)の評価によるORR、患者報告アウトカムであった。

 ニボルマブとイピリムマブの併用療法コホートには、患者119例が登録され、病勢進行、死亡または忍容できない毒性が認められるまで、ニボルマブ(3mg/kg)・イピリムマブ(1mg/kg)を3週ごと4回投与され、その後ニボルマブ(3mg/kg)を2週ごとに投与された。追跡期間は13.4ヵ月(中央値)。

 主要評価項目である治験担当医師評価のORRは、55%(95%CI:45.2~63.8)であった。奏効は持続的であり、データカットオフ時(2017年7月)のDOR中央値は未達、12週間以上のDCRは80%にみられた。OS中央値は未達、1年OS率は85%(95%CI:77.0~90.2)であった。PFS中央値は未達、12ヵ月PFS率は71%(95%CI:61.4~78.7)であった。治験担当医師評価による奏効はBRAFまたはKRAS変異、PD-L1発現、リンチ症候群にかかわらず示された。統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が、症状、機能面、QOLを含む主な患者報告アウトカムで示された。

 全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)は、73%の患者で発現し、多くみられた項目は、下痢(22%)、疲労(18%)、そう痒症(17%)であった。免疫学的病因により発現した可能性のある特定のTRAEは、大半(71~96%)の患者で回復したが、内分泌性のTRAEでの回復患者は40%であった。新たな安全性シグナルまたは治療に関連する死亡は報告されなかった。治療関連有害事象による投与中止は、患者の13%でみられた。これらの患者におけるORRは63%であり、患者集団全体のORRと一貫していた。

■参考
ASCO-GI2017 abstract(#553)
Overman MJ, et al. J Clin Oncol. 2018 Jan 20.[Epub ahead of print]
CheckMate-142試験(Clinical Triakls.gov)

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(ケアネット 細田 雅之)