転移性メラノーマにニボルマブ・イピリムマブ併用療法をFDAが承認

提供元:ケアネット

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公開日:2015/10/09

 

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国・ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は2015年10月1日、米国食品医薬品局(FDA)が、BRAF V600 野生型の切除不能または転移性の悪性黒色腫患者を対象とした、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法を承認したと発表した。

 今回の承認は、未治療の切除不能または転移性の悪性黒色腫患者において、オプジーボとヤーボイの併用療法を評価したCheckMate069試験のデータに基づいている。

ニボルマブ・イピリムマブ併用群が有意に優れた結果
 CheckMate 069試験は、未治療の切除不能または転移性悪性黒色腫の患者140名を登録した第Ⅱ相二重盲検無作為化試験で、BRAF 野生型とBRAF 変異陽性の双方の悪性黒色腫患者が含まれた。試験の主要評価項目は、BRAF野生型患者における奏効率(ORR)。追加的な有効性評価項目はBRAF V600野生型悪性黒色腫患者における医師評価による奏効期間とPFSであった。無作為化はBRAFの変異状態による層別化をもとに行われた。ニボルマブ・イピリムマブ併用群には、併用フェーズで、ニボルマブ1mg/kgとイピリムマブ3mg/kgを3週間に1回4サイクル実施した後、単剤フェーズで、ニボルマブ3mg/kgを隔週で投与した。一方、ヤーボイ単剤群には、ニボルマブ3mg/kgとプラセボを3週間に1回4サイクル投与した。BRAF野生型悪性黒色腫患者(109 名)において、併用群の奏効率は60%(95%信頼区間:48-71, p<0.001)となり、イピリムマブ単剤群の11%に対して有意に優れた結果となった(95%CI:3-25)。併用療法群の無増悪生存期間中央値は8.9ヵ月(95%CI:7.0,NA)、イピリムマブ単剤群は 4.7ヵ月(95%CI:2.8 – 5.3)であった。

 また、ニボルマブとイピリムマブの併用療法群では、イピリムマブ単剤療法群に対して、重篤な副作用(62%対 39%)、投与の中止につながった副作用(43%対 11%)、投与遅延(47%対 22%)、グレード3または4の副作用(69%対 43%)と、発生頻度は高くなった。

(ケアネット 細田 雅之)

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