肝がん1次治療、レンバチニブ対ソラフェニブREFLECT試験の日本人データ/日本臨床腫瘍学会

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2017/08/21

 

 レンバチニブ(商品名:レンビマ)は、VEGFR1~3、FGFR1~4、PDGFRα、RET、KITを標的とした経口マルチキナーゼ阻害薬であり、進行肝細胞がん(HCC)において、従来の標準治療薬であるソラフェニブ(商品名:ネクサバール)に対する非劣性が国際無作為化オープンラベル第III相非劣性試験REFLECT試験で示されている。第15回日本臨床腫瘍学会では、同試験の日本人集団の解析結果が、国立がん研究センター東病院池田 公史氏より発表された。

 REFLECT試験は、全身化学療法治療歴のない切除不能な肝細胞がん患者954例を対象とし、レンバチニブ群とソラフェニブ群に1:1に無作為に割り付けられた。主要評価項目は全生存期間(OS)非劣性の検証、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、無増悪期間(TTP)、客観的奏効率(ORR)、安全性であった。全集団のOSはレンバチニブ群で13.6ヵ月、ソラフェニブ群では12.3ヵ月。HRは0.92、95%CIは0.79~1.06であり、主要評価項目の非劣性マージン1.08を達成し、PFS、TTP、ORRの有意な改善を示した。

 日本人集団のOSは、レンバチニブ群17.6ヵ月(12.2~23.0)、ソラフェニブ群17.8ヵ月(11.9~19.5)であった。HRは0.90、95%CIは0.62~1.29であり、全集団に比べ若干長い傾向であった。日本人集団のORRはレンバチニブ群29.6%(19.7~39.6)、ソラフェニブ群6.9%(1.6~12.2)と、レンバチニブ群で有意であった(p=0.00006)。

 レンバチニブ群の有害事象発現率は、下痢、疲労感を除き全集団に比べ、日本人集団で多くみられた。

■参考
REFLECT試験(Clinical Trials.gov)

(ケアネット 細田 雅之)