成人前のボディサイズが乳がんリスクと逆相関

提供元:ケアネット

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公開日:2017/07/31

 

 成人前の体の大きさが成人後の乳がんリスクと逆相関するが、この関連が腫瘍の特性によって異なるかどうかは不明である。今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のMd Shajedur Rahman Shawon氏らが行ったプール解析により、その逆相関がさらに支持され、また18歳時の体の大きさと腫瘍サイズとの逆相関がみられた。腫瘍サイズとの逆相関について、著者らはマンモグラフィ密度が関わっているかもしれないと考察している。Breast cancer research誌2017年7月21日号に掲載。

 本研究は、スウェーデンの2つの集団研究のプール解析で、浸潤性乳がん症例6,731人と年齢が一致した対照2万8,705人について、7歳時および18歳時の体の大きさと乳がんリスクとの関連を調べた。被験者は7歳時および18歳時の体の大きさを9レベルのピクトグラムで自己申告し、小、中、大の3カテゴリに分けられた。乳がん診断時年齢、初潮年齢、子供の数、ホルモン補充療法の使用、乳がんの家族歴で調整した症例対照分析において、多変量ロジスティック回帰モデルから、乳がんのオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を推定した。また、7~18歳における体のサイズの変化と乳がんリスクの関連も評価した。さらに乳がん症例において、腫瘍特性により関連が異なるかどうかを調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・7歳時と18歳時における体の大きさが中または大の女性の乳がんリスクは、小の女性と比較して統計的に有意に低かった(順に、統合OR:0.78、95%CI:0.70~0.86、傾向のp<0.001、統合OR:0.72、95%CI:0.64~0.80、傾向のp<0.001)。

・女性のほとんど(~85%)が、7歳時と18歳時で体の大きさのカテゴリに変化がなかった。

・7歳時と18歳時に体の大きさが中または大のままだった女性は、どちらも小であった女性に比べて乳がんリスクが有意に低かった。また、7歳時から18歳時までに体が小さくなった女性も小のままだった女性に比べて乳がんリスクが低かった(統合OR:0.90、95%CI:0.81~1.00)。

・7歳時の体の大きさと腫瘍特性との間には有意な関連はみられなかった。18歳時の体の大きさは、腫瘍サイズと逆相関し(傾向のp=0.006)、エストロゲン受容体の状態およびリンパ節転移とは関連がなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)