日本初、TAVIの5年結果が明らかに:PREVAIL JAPAN

提供元:ケアネット

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公開日:2017/03/30

 

 日本における、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)の最初のピボタル研究であるPREVAIL JAPAN試験の5年結果が、Circulation Journal誌2017 March 17号に発表された。この結果はまた、大阪大学の澤 芳樹氏により、第81回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Trialセッションにて発表された。

 PREVAIL JAPAN試験には、日本の3施設から手術不能な重度大動脈弁狭窄症(AS)患者64例が登録された。患者の平均年齢は84.3歳、女性65.6%、STSスコア9.0であった。 経大腿動脈アプローチ(TF)および心尖部アプローチ(TA)は、それぞれ37例の患者および27例であった。試験にはSAPIEN XTの23mmと26mmのみが用いられた。

 主な結果は以下のとおり。

・5年間の全死亡率は52.7%、TFでは51.3%、TAでは56.3%であった。
・5年間の全脳卒中リスクは15.8%、TFでは8.9%、TAでは25.5%であった。
・5年間の主要心血管脳有害事象(MACCE)は58.0%、TFでは51.3%、TAでは69.2%であった。
・術後、大動脈弁面積(AVA)は有意に増加(p<0.001)、圧較差(PG)は有意に減少(p<0.001)し、追跡期間中安定していた。
・1週間時点の大動脈逆流症(AR)と全死亡増加との相関はみられず、AR軽度(+2)以上の5年後の全死亡率は69.1%に対し、ARなし(0)と少量(+)の全死亡率は48.3%であった(p=0.184)。
・STSスコアによる死亡率は4未満で20.0%、4~8で45.3%、8超では65.0%であった。

(ケアネット 細田 雅之)