統合失調症の再発、リスク因子とその対策 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/05/20 統合失調症のマネジメントにおいて、再発は重要な問題の1つである。イタリア・ボローニャ大学のStefano Porcelli氏らは、統合失調症の再発と関連する臨床的因子の検討を行った。International journal of psychiatry in clinical practice誌2016年6月号の報告。 過去22年分の文献データを検討し、219件が抽出された。 主な結果は以下のとおり。 ・再発に関連する要因は、「薬物治療に関連する因子」「精神療法追加治療」「一般的なリスク因子」の3つに大別された。 ・全体として、維持療法の欠如と第1世代抗精神病薬治療は、再発の高リスクと関連していた。 ・心理療法の追加、とくに患者、親族に対する認知行動療法と心理教育は、再発率の減少において優れた有効性を示した。 ・一般的なリスク因子には、改善可能なもの(精神疾患の未治療期間、物質乱用など)と、そうでないもの(男性の性別、病前の機能レベルの低さ)があった。 結果を踏まえ、著者らは「リスク因子のいくつかの分類は、再発リスクとの関連性が証明されている。そのため、各患者の再発リスクを個別化するために日々の臨床現場でこれらリスク因子を注意深く評価し、高リスク患者においては標的治療を行うべきである」とまとめている。 関連医療ニュース 統合失調症患者の再発リスクを低下させるためには 統合失調症の再発予防プログラムを日本人で検証:千葉大学 気温31℃超で気分症状が再発!入院も増加 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Porcelli S, et al. Int J Psychiatry Clin Pract. 2016;20:54-69. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 初発統合失調症の再発予防に対する抗精神病薬の用量とその効果 医療一般(2022/04/22) 統合失調症の再発までの期間と再発歴との関係 医療一般(2022/02/04) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] エボロクマブは、高リスクでない患者にも有効か/NEJM(2025/12/01) 心筋梗塞後のβ遮断薬、LVEF保持例の死亡・再発・心不全を抑制せず/NEJM(2025/12/01) 1型糖尿病患者の妊娠中の血糖管理にクローズドループ療法は有効である(解説:小川大輔氏)(2025/12/01) レカネマブ承認後に明らかとなった日本におけるアルツハイマー病診療の課題(2025/12/01) 再発・難治性DLBCLに対するチサゲンレクルユーセルの5年追跡結果(JULIET)/JCO(2025/12/01) 「ゆっくり食べ、よく噛む」習慣と関連する食事・口腔要因を解明(2025/12/01) 20年で大きく生存率が向上したがん・変化の少ないがん/国立がん研究センター(2025/12/01) IgA腎症に対するフィネレノン+SGLT2阻害薬が蛋白尿を減少(2025/12/01) 解熱鎮痛薬による頭痛誘発、その原因成分とは(2025/12/01) [ あわせて読みたい ] 合格直結!テスレクDigest(2025/07/18) 第50回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2025/04/18) ASCO2025 まとめ(2025/06/02) かかりつけ医のためのがん患者フォローアップ(2025/06/13) 医療・介護施設従事者のための転倒・転落事故へのアプローチ ~転倒・転落事故のメカニズム、予防、事故後フォローのすべて~(2025/02/27) 非機器的早期運動療法はDVT発生率を低減【論文から学ぶ看護の新常識】第1回(2025/02/05) トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01)