ICL視力矯正手術による白内障リスク、長期予後は

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ケアネット

ICL視力矯正手術による白内障リスク、長期予後はのイメージ

 Implantable Collamer Lens(ICL:後房型有水晶体眼内レンズ、後房型フェイキックIOL)は、強度近視または乱視に対する屈折矯正法の1つである。短期および中期的な矯正効果と安全性は良好であるが、重大な合併症として白内障が知られていることから、スイス・ローザンヌ大学のIvo Guber氏らは、ICL挿入10年後の予後を後ろ向きに検討した。その結果、短期研究と同様、強度近視患者に長期的に安全で良好な矯正効果をもたらすことが示されたが、白内障および高眼圧症の発症率について臨床的に意味のある結果が確認されたという。著者は、「白内障、高眼圧症の10年後の発症率に関する情報を、ICL挿入前に患者に提供すべきであろう」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年3月3日号の掲載報告。

 研究グループは、スイス・ローザンヌのJules-Gonin Eye Hospitalにおいて、1998年1月1日~2004年12月31日の間に、ICL(V4モデル)挿入術を行った78例133眼(男性34例、女性44例、登録時の平均年齢38.8±9.2歳)を対象として、ICL視力矯正手術10年後の白内障発症と屈折予後について調査した。

 挿入されたレンズは、-15.5D以上のV4モデルICLが53眼、-15.5D未満のV4モデルICLが73眼、近視のためのV4モデルトーリックICLが7眼であった。

 主要評価項目は、白内障手術、水晶体混濁、眼圧、安定性、安全性などで、解析は2014年1月1日~同年5月31日に行われた。

 主な結果は以下のとおり。

・ICL挿入後の水晶体混濁発生率は、5年後40.9%(95%信頼区間[CI]:32.7~48.8%)、10年後54.8%(95%CI:44.7~63.0%)であった。
・超音波水晶体乳化吸引術(白内障手術)は、ICL挿入5年後で5眼(4.9%、95%CI:1.0~8.7%)、10年後で18眼(18.3%、95% CI:10.1~25.8%)に行われていた。
・水晶体前面とICL後面の距離(平均±標準偏差)は、術直後426±344μmから、10年後は213±169μmに減少しており、距離の短さと水晶体混濁発生および白内障手術との関連が認められた(p=0.005およびp=0.008)。
・眼圧は、手術後15mm Hgで、10年の追跡調査時までは有意な増加は観察されなかった。ただし10年後の時点で、12眼(12.9%、95%CI:5.6~19.6%)に局所薬物治療を要する高眼圧症が認められた。
・安全係数は1.25±0.57で、等価球面度数は術後1年時-0.5D、10年時-0.7Dであった。

(ケアネット)

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