チカグレロル、心筋梗塞延長治療の適応をEUにて取得:アストラゼネカ

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2016/02/26

 

 アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):Pascal Soriot、以下、アストラゼネカ)は、欧州連合(EU)において、心筋梗塞発症後1年以上経過し、アテローム血栓性イベントの再発リスクが高い患者の治療薬として、経口抗血小板薬チカグレロルの新用量である60mgに販売承認が付与されたことを2016年2月19日に発表した。

 チカグレロル90mgはすでに、急性冠症候群(ACS)成人患者におけるアテローム血栓性イベントの発症抑制を適応としてEUで承認されており、ACSイベント発症後1年間のACSの管理における推奨維持用量は90mg1日2回投与。

 今回の承認により、発症後1年以上経過している心筋梗塞の既往患者に、アスピリン1日維持用量75~150mgとチカグレロル60mgを1日2回投与する併用療法を継続することができる。

 今回の承認は、2万1千例超の患者を対象とした大規模アウトカム試験PEGASUS TIMI-54の結果に基づいたもので、その結果は2015年3月の米国心 臓病学会議(ACC)において発表され、同時にThe New England Journal of Medicineに掲載された。PEGASUS TIMI-54試験では、試験への組み入れ前1~3年の間に心筋梗塞の既往歴がある患者を対象に、チカグレロル・低用量アスピリンとの併用と、プラセボ・低用量アスピリンとの併用と比較して、心血 管死、心筋梗塞および脳梗塞の長期にわたる2次的な発症抑制効果を評価した。その結果、チカグレロルはプラセボに比べて心血管死、心筋梗塞あるいは脳梗塞からなる複合主要評価項目を有意に低減したことが示された。3年時の複合イベント発症率は、チカグレロル60mg群で7.77%、プラセボ群で9.04%であった。本承認はEU加盟国28ヵ国に加えてアイスランド、ノルウェーおよびリヒテンシュタインに適応される。

 アストラゼネカのプレスリリースはこちら

(ケアネット 細田 雅之)