乾癬へのアダリムマブの有効性 ―米国市販後10年調査の中間報告

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2015/10/06

 

 中等症~重症の尋常性乾癬患者を対象としたアダリムマブ(商品名:ヒュミラ)の実臨床における長期安全性と有効性を評価する10年間の市販後調査(ESPRIT)が進行中であるが、最初の5年間において未知の有害事象は認められず、死亡者数も予想を下回っており、安定した有効性が得られていることが、米国・ベイラー大学のAlan Menter氏らによる中間解析で明らかになった。Journal of the American Academy of Dermatology誌2015年9月号の掲載報告。

 市販後調査の登録は2008年9月26日に開始され、2013年11月30日時点のデータについて解析が行われた。

 解析対象は、市販後調査開始前の臨床試験も含めたすべてのアダリムマブ投与患者(全投与群)。すなわち、承認前の臨床試験から継続してアダリムマブが投与され、登録開始後にアダリムマブを少なくとも1回は投与された患者と、市販後調査の登録開始前4週間以内にアダリムマブの投与が開始された新規投与患者群であった。

 主な結果は以下のとおり。

・全投与患者群は6,059例、このうち新規投与患者群は2,580例であった。
・登録期間中央値は全投与患者群765日、新規投与患者群677日であった。
・全投与患者群において、重篤な治療関連有害事象の発現頻度(登録期間外も含む)は4.3件/100人年で、重篤な感染症は1.0件/100人年、悪性腫瘍0.9件/100人年、非黒色腫皮膚がん0.6件/100人年、黒色腫0.1件未満/100人年であった。
・標準化死亡比は、0.30(95%信頼区間:0.19~0.44)であった。
・医師の総合評価(PGA)で、消失またはほぼ消失と判定された患者の割合は、全投与患者群において12ヵ月後57.0%、60ヵ月後64.7%であった。

(ケアネット)