双極性障害の喫煙率、うつ病や統合失調症と比較すると 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/09/23 米国・ケンタッキー大学のJames G Jackson氏らは、世界規模の論文複合解析を行い、双極性障害と喫煙との関連について調べた。その結果、双極性障害では一般集団と比べて現喫煙者が多いこと、喫煙経験(開始)が多い一方で、禁煙者は少ないことが明らかになった。また、双極性障害患者の喫煙行動の頻度は、うつ病と統合失調症の中間に位置し、統合失調症で最も高頻度であったなども示された。Bipolar Disorders誌オンライン版2015年8月4日号の掲載報告。 本検討で研究グループは、(1)双極性障害患者は、一般集団と比べて喫煙行動との関連が認められる、(2)双極性障害患者の喫煙行動率は、うつ病患者と統合失調症患者の中間程度である、との2つの仮説を立て検証した。PubMed検索または上席著者の論文コレクションから、成人喫煙者に関する論文56本を複合解析に組み込み、双極性障害患者 vs.対照群の現喫煙者、現喫煙の重度喫煙者、喫煙者だが禁煙中、喫煙経験者の各オッズ比(OR)と95%信頼区間[CI]値を算出し評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・双極性障害vs.一般集団の現喫煙者の複合OR(16ヵ国51試験に基づく)は、3.5(95%CI:3.39~3.54)であった。 ・データは限定的であったが、禁煙者のORは0.34(95%CI:0.31~0.37)、喫煙経験者のORは3.6(95%CI:3.30~3.80)であった。 ・双極性障害 vs.統合失調症の現喫煙者の複合OR(10ヵ国20試験)は、0.76(95%CI:0.74~0.79)であった。 ・喫煙経験者は、統合失調症よりも双極性障害で少ないと言える(OR:0.83、95%CI:0.75~0.91)。 ・双極性障害 vs.うつ病の現喫煙者の複合OR(7ヵ国18試験)は、2.05(95%CI:2.00~2.10)であった。 ・喫煙経験者は、うつ病よりも双極性障害で多いと言える(OR:1.5、95%CI:1.40~1.70)。一方で禁煙者は、双極性障害のほうがうつ病よりも少ない可能性がある(OR:0.51、95%CI:0.45~0.59)。 関連医療ニュース 統合失調症患者は、なぜ過度に喫煙するのか 精神疾患発症と喫煙の関連性 統合失調症と双極性障害、脳の違いはどこか 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Jackson JG, et al. Bipolar Disord. 2015 Aug 4. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] PIK3CA変異の内分泌療法抵抗性HR+/HER2-乳がん、inavolisib追加でPFS・OS改善(INAVO120)/NEJM(2025/06/11) 高リスク頭頸部がん、CRT+ニボルマブの術後補助療法が20年振りの新たな標準治療に(NIVOPOSTOP)/ASCO2025(2025/06/11) HRR関連遺伝子に病的バリアントを有するmCSPCへのニラパリブ+AAP、rPFS改善(AMPLITUDE)/ASCO2025(2025/06/11) COPD初の生物学的製剤デュピルマブへの期待/サノフィ(2025/06/11) うつ病合併片頭痛に対するフレマネズマブの有効性〜UNITE試験(2025/06/11) HER2+乳がん術前療法、THP vs.TCHP(neoCARHP)/ASCO2025(2025/06/11) 眠気の正体とは?昼間の眠気は異常?/日本抗加齢医学会(2025/06/11) スポーツを現地観戦する高齢者は幸福感が高い/千葉大(2025/06/11) [ あわせて読みたい ] 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)