認知症の糖尿病合併、どのような影響があるか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/02/27 糖尿病は、認知障害およびアルツハイマー病(AD)の急速な進行のリスク因子として認識されているが、これまで糖尿病合併の有無により、AD患者の認知機能および日常生活機能低下の程度が異なるか否かについては明らかとなっていなかった。米国・イーライリリー社のHaya Ascher-Svanum氏らは、軽度AD患者における糖尿病の有無が認知機能および日常生活機能に及ぼす影響を検討した。その結果、糖尿病合併例は非合併例に比べ、日常生活機能が有意に低下していること、有意差はなかったものの認知機能低下の程度がより大きかったことを報告した。Clinical Therapeutics誌オンライン版2015年2月9日号の掲載報告。 研究グループは、事後探索的解析にて、糖尿病合併AD患者と糖尿病非合併AD患者の18ヵ月にわたる認知機能および日常生活機能低下について比較した。また、副次目的としてQOL低下について評価した。AD患者を対象としたソラネズマブおよびセマガセスタット関する3件の18ヵ月間無作為化プラセボ対照試験のプラセボ群のデータを分析した。軽度AD(Mini-Mental State Examination[MMSE]スコア20~26)で、ベースライン時に糖尿病を合併している患者と非合併患者のデータを比較し、認知機能について14項目 AD Assessment Scale-Cognitive Subscale(ADAS-Cog14)およびMMSEを用いて評価した。日常生活機能については、AD Cooperative Study-Activities of Daily Living Inventory(instrumental subset)(ADCS-iADL)により評価した。QOLはEuropean Quality of Life-5 Dimensions scale、プロキシバージョン(proxy utility score and visual analog scale score)、AD患者におけるQOLスコア(Quality of Life in AD scale)、患者の自己報告、プロキシ(介護者)バージョンを用いて評価した。ベースラインから18ヵ月後までの認知機能、日常生活機能、QOL測定値の変化に関する群間比較は、傾向スコア、試験、ベースライン時の認知スコア(機能的あるいはQOL)、年齢、性別、教育レベル、アポリポ蛋白E遺伝子のゲノタイプ、投与中のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンで補正した反復測定モデル用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・ベースライン時、軽度AD患者の認知機能は糖尿病合併の有無による有意な差は認められなかったが、非合併患者では日常生活機能を示す数値が有意に高かった。 ・18ヵ月後において、糖尿病合併患者は糖尿病非合併患者と比較して、統計的に有意でなかったが認知機能低下の程度が大きかった[群間差の最小二乗平均:ADAS-Cog14スコア1.61(p=0.21)、MMSEスコア-0.40(p=0.49)]。 ・また日常生活機能については、糖尿病合併患者において統計学的に有意な低下が認められた(群間差の最小二乗平均:ADCS-iADLスコア-3.07、p=0.01)。 ・QOL低下に関して両群間に有意な差はみられなかった。 結果を踏まえて著者らは、「軽度AD患者の日常生活機能低下に糖尿病が影響する可能性が示唆された。今回の事後探索的解析の限界を踏まえて、確認された差異の原因を究明すべく研究の積み重ねが期待される」とまとめている。 関連医療ニュース 日本人の認知症リスクに関連する食習慣とは? 長期抗コリン薬使用、認知症リスク増加が明らかに 認知症、早期介入は予後改善につながるか (ケアネット) 原著論文はこちら Ascher-Svanum H, et al. Clin Ther. 2015 Feb 9. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンと抗コリン薬の併用の現状 医療一般 (2017/05/01) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 双極性障害の個別化治療の意思決定に、EBI-BDツールが有用/BMJ(2026/08/25) 経口グレリン受容体作動薬AC01のHFrEFに対する安全性と忍容性が示された(解説:原田和昌氏)(2026/08/25) 大腸がん検診60%目標、2028年達成は困難か(2026/08/25) 敵意・興奮を伴う統合失調症に対するブレクスピプラゾールの有効性(2026/08/25) 研修医のメンタルヘルス、医師との結婚で良好か(2026/08/25) 日本の心不全診療、2013年から転帰の改善状況は?(JROADHF)/Eur Heart J(2026/08/25) 日本人2型糖尿病へのGLP-1薬、MACE・死亡リスクへの影響は?(2026/08/25) 変形性股関節症に対する運動、期待ほどの効果は得られない?(2026/08/25) 閉塞性睡眠時無呼吸、記憶力低下・認知症リスクと関連(2026/08/25) [ あわせて読みたい ] 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17) 診療所の売れ行きに直結する「概要書」の大切さ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第39回(2022/05/09) 医療マンガ大賞2021「たった一時間されど一時間」受賞者描き下ろし作品(ささき かずよ氏)(2022/04/18) 「急ぎ」のお宝承継をゲットできる医師は…?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第38回(2022/04/11) Dr.田中和豊の血液検査指南 電解質編(2022/04/10)