若年者への抗精神病薬使用、93%は適応外処方 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/11/05 スペイン・バルセロナ大学病院のInmaculada Baeza氏らは、4~17歳の小児・青少年における抗精神病薬使用および変化について、精神科専門外来受診者259例を対象に1年間追跡調査した。結果、第二世代抗精神病薬が最も多く処方され、約93%は未承認の適応での使用であった。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2014年10月号の掲載報告。 追跡調査は、小児・青少年専門精神科部門4施設を受診した、抗精神病薬未治療または準未治療(抗精神病薬治療を始めてから30日未満)の、4~17歳の連続患者265例を対象に行われた。抗精神病薬の種類、用量、併用薬について、ベースライン時、治療開始後1、3、6、12ヵ月時点で記録した。 主な結果は以下のとおり。 ・ベースライン時の患者の平均年齢は14.4(2.9)歳、男性が145例(54.7%)であった。 ・抗精神病薬の処方頻度は多い順に、統合失調症スペクトラム障害(30.2%)、破壊的行動障害(DBD、18.9%)、双極性障害(14.3%)、抑うつ性障害(12.8%)、摂食障害(11.7%)であった。 ・全体で93.2%の患者が、未承認適応で抗精神病薬を使用していた。 ・リスペリドンは、全評価において最も頻度の高い処方薬であったが、診断によって抗精神病薬の種類に違いがみられた。 ・すなわち、リスペリドンはDBD患者で最も有意に処方頻度が高く、オランザピンは、摂食障害患者で最も処方頻度が高かった。 ・オランザピンとクエチアピンは、リスペリドン後に最も多く処方された第二世代抗精神病薬であり、ハロペリドールは最も処方数が多かった第一世代抗精神病薬であった。 ・追跡期間中、抗精神病薬多剤療法を受けていたのは最高8.3%の患者であった。 ・追跡期間中の抗精神病薬について変更があったのは約16%の患者であり、主として第二世代抗精神病薬1剤をほかのものに切り替えるケースであった。 関連医療ニュース 非定型抗精神病薬、小児への適応外使用の現状 日本では認知症への抗精神病薬使用が増加 自閉症、広汎性発達障害の興奮性に非定型抗精神病薬使用は有用か 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Baeza I, et al. J Clin Psychopharmacol. 2014; 34: 613-619. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 中等症~重症の潰瘍性大腸炎、抗TL1A抗体tulisokibartが有望/NEJM(2024/10/15) 大手術前のRAS阻害薬は中止すべき?/JAMA(2024/10/15) 不安症に対するベンゾジアゼピン使用、気分障害や物質使用障害の長期リスクと関連(2024/10/15) 8年ぶりの新薬登場、非専門医も押さえておきたいてんかん診療の今/ユーシービー(2024/10/15) コーヒーは動脈硬化に影響するか(2024/10/15) 腎臓結石の残存破片の排出には超音波が有効(2024/10/15) 体内での金属の蓄積は心血管疾患の悪化をもたらす?(2024/10/15) 長期的な運動は脂肪の健康的な蓄積に役立つ(2024/10/15) [ あわせて読みたい ] Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 診療よろず相談TV(2013/10/25) ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティス ~今こそ実践!医療者がやらなくて誰がやるのだ~(2014/05/15) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)