高齢者のNSAIDs使用実態が明らかに

提供元:ケアネット

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公開日:2014/09/24

 

 オーストラリア・シドニー大学のDanijela Gnjidic氏らによる調査の結果、高齢者において、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は適切に使用されていない可能性が報告された。シドニー在住の高齢男性を対象に横断的に調査したところ、その使用実態が、NSAIDsを高齢者に安全に使用するための臨床ガイドラインと一致していないことが明らかになったという。著者は「ガイドラインの勧告と現実世界で起きていることの差異をさらに検討しなければならない」とまとめている。Pain誌2014年9月号(オンライン版2014年6月20日号)の掲載報告。

 研究グループは、シドニー在住の70歳以上の男性1,696例を対象に、疼痛有病率、NSAIDsの使用パターンや使用期間、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の併用、薬物相互作用の発生などについて調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・NSAIDsを定期的に使用していた(NSAIDs常用者)は8.2%(139例)、必要に応じて使用していた(頓用者)は2.9%(50例)であった。
・NSAIDs常用者の平均治療期間は4.9年で、ガイドラインで推奨されている使用期間(短期使用)より長いことが示された。
・ガイドラインではPPIの併用が推奨されているが、NSAIDs常用者における併用率は25.2%にすぎなかった。
・NSAIDs常用者は頓用者と比較して、オピオイド鎮痛薬を使用している傾向が有意に高かった(p<0.0001)。
・NSAIDs常用者は頓用者と比較して、慢性疼痛(p<0.0001)、最近の疼痛(p=0.0001)、慢性の侵入的な疼痛(p<0.0001)を有している可能性が有意に高かった。

(ケアネット)