効果不十分なうつ病患者、次の一手のタイミングは 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/09/19 既存治療で十分な効果が得られないうつ病患者に対し使用される、アリピプラゾール。その使用にあたり、どのタイミングで既存治療の効果判定を行い、使用を検討すべきなのかは定められていない。米国・オレゴン健康科学大学のD E Casey氏らは、8週間の抗うつ薬単剤療法で効果不十分な大うつ病性障害(MDD)患者を対象に、アリピプラゾール補助療法の有用性を検討した。International journal of clinical practice誌オンライン版2014年9月6日号の報告。 3つの同様に設計された第III相試験(無作為化二重盲検プラセボ対照試験)の事後解析により、1~3剤の抗うつ薬治療(ADT)で効果不十分なMDD患者におけるアリピプラゾールの補助療法の有効性、安全性の調査を実施した。抗うつ薬単剤療法6週時および8週時における「わずかな改善」は臨床全般改善度(CGI-I)スコア3 、「非改善」はCGI-Iスコア4で定義した。 主な結果は以下のとおり。 ・ADTで「わずかな改善」がみられた患者におけるエンドポイントの奏効率は、アリピプラゾール補助療法群38.8%、プラゼボ群26.6%であった(p<0.05、NNT=9 [95%CI:4.8~27.7])。また、ADTで「非改善」であった患者では、それぞれ24.0%、10.3%であった(p<0.05、NNT=8 [95%CI:4.4~21.5])。 ・ADTで「わずかに改善」または「非改善」の患者に対するアリピプラゾール補助療法は、単独治療と比較して、それぞれ早くとも1週間後、2週間後に有意な改善がみられた。 ・ADTで「わずかな改善」がみられた患者におけるエンドポイントの寛解率は、アリピプラゾール補助療法群34.2%、プラゼボ群21.0%であった(p<0.05、NNT=8)。また、ADTで「非改善」であった患者では、それぞれ16.0%、5.9%であった(p<0.05、NNT=10)。 ・アリピプラゾール補助療法による最も一般的な有害事象は、アカシジア、焦燥感、不眠であった。 8週間の抗うつ薬単剤療法で「わずかな改善」または「非改善」のMDD患者に対する、アリピプラゾール補助療法は有効であることが示された。 関連医療ニュース 日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法:名古屋大学 難治性うつ病にアリピプラゾールはどの程度有用か 抗うつ薬+アリピプラゾール、長期忍容性は 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Casey DE, et al. Int J Clin Pract. 2014 Sep 6. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 肥満手術、SADI-SはRYGBを凌駕するか/Lancet(2025/09/09) 9月20日・21日、産業保健の最新動向を学ぶ!日本産業保健法学会【ご案内】(2025/09/09) 心房細動と動脈硬化、MRIで異なる脳血管病変示す/ESC2025(2025/09/09) うつ病治療において有酸素運動と組み合わせるべき最適な治療は(2025/09/09) DPP-4阻害薬でコントロール不十分な2型糖尿病にイメグリミン追加が有効~FAMILIAR試験(2025/09/09) 高齢者への不適切処方で全死亡リスク1.3倍、処方漏れで1.8倍(2025/09/09) オメガ3脂肪酸が小児の近視抑制に有効?(2025/09/09) 厳格な血圧コントロールは心臓の健康だけでなく費用対効果も改善(2025/09/09) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01)