うつ病×腰痛高齢者への抗うつ薬の効果:カナダ

提供元:ケアネット

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公開日:2014/08/13

 

 うつ病と慢性腰痛は高齢者においてはどちらも頻度が高く、しばしば併存している。カナダ・マギル大学のSoham Rej氏らは、こうした患者に対するセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬ベンラファキシン(venlafaxine、国内未承認)の治療効果について検討した。結果、6週間のベンラファキシン投与によりうつ症状と腰痛の両方とも改善した患者の割合は約25%で、比較的少なかったが、2週時点での早期改善が6週時点の改善の予測因子となることなどが明らかになったという。著者らは、「今後、早期改善が得られない場合に増量、変更または他の治療法を追加し、改善できるかどうかを検討する必要がある」とまとめている。Pain Medicine誌7月15日号(オンライン版2014年7月4日号)の掲載報告。

 研究グループの目的は、うつ病と慢性腰痛を合併している患者において低用量ベンラファキシン投与の効果を予測する、使いやすい臨床変数を明らかにすることであった。

 対象は、Addressing Depression and Pain Together試験に参加したうつ病と慢性腰痛を有する60歳以上の患者140例で、第I期としてベンラファキシン150mg/日を6週間投与し、うつ症状および疼痛スコアの変化について分析した。

 主な結果は以下のとおり。

・うつ病と腰痛のどちらも改善した患者の割合(反応率)は、26.4%であった。
・2週目における早期の疼痛改善が、反応率の予測因子であった(p=0.027)。
・2週目のうつ症状あるいは腰痛の軽減と、それぞれ6週後の改善が関連していた。

(ケアネット)