月1回投与のミノドロン酸、骨粗鬆症治療のアドヒアランス向上

提供元:ケアネット

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公開日:2014/06/30

 

 ビスホスホネート系薬剤は骨粗鬆症治療の第1選択薬である。服用方法が面倒であることが治療継続の大きな問題であったが、2011年、国内初となる月1回経口製剤のミノドロン酸50mg錠(商品名:ボノテオ、リカルボン)が登場した。産業医科大学整形外科学教室教授の酒井 昭典氏らは、従来のビスホスホネート系薬剤を継続するかミノドロン酸50mgに切り替えるかを患者の希望で選択してもらい、その後の治療継続性と効果などについて検討した。結果、ミノドロン酸50mgのほうが継続率も高く骨代謝も改善し上部消化管症状は少ないなど有用であることを報告した。Osteoporosis International誌オンライン版2014年6月5日号の掲載報告。

 研究グループの目的は、従来の1日1回または週1回投与のビスホスホネート系薬剤による治療を受けている骨粗鬆症患者を対象として、月1回製剤(ミノドロン酸50mg)への選好と、ミノドロン酸50mgの有効性および副作用について調査することであった。

 従来のビスホスホネート系薬剤で治療中の骨粗鬆症患者を、患者自身の希望によりミノドロン酸50mgへの切り替え群か継続群かに分けて6ヵ月間治療を行い、服薬状況や治療満足度を自己記入式アンケートにて評価するとともに、骨密度、骨代謝マーカー(血清TRACP-5b、血清P1NP)、腰痛および上部消化管症状を調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・切り替えを希望した患者(切り替え群)は264例、希望しなかった患者(継続群)は133例で、約3分の2の患者が切り替えを希望した。
・切り替えを希望した主な理由は、「服薬回数が少なく簡便である」ことであった。
・服薬継続率は、切り替え群が継続群より有意に高かった。
・切り替え群では、骨代謝マーカーが切り替え前異常値の場合は切り替え後に基準値範囲内に改善し、切り替え前基準値範囲内の場合はそれを維持した。
・切り替え群では、腰痛と上部消化管症状が減少した。

(ケアネット)