頭頚部皮膚がん、より悪性なのはどの部位発症?

提供元:ケアネット

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公開日:2014/05/15

 

 米国・ロードアイランド病院のPatrick M. Mulvaney氏らによる後ろ向きカルテレビューの結果、頭頚部の基底細胞がん(BCC)において、耳のBCCがほかの頭頚部位のBCCと比べて、組織学的な浸潤部位がより大きいと思われることが明らかにされた。著者は、「したがって、耳のBCCは高リスク部位とみなさなくてはならない」と指摘している。病理学レビューにおいて、耳のBCCは悪性サブタイプである頻度が高いことが知られていたが、組織学的な関連については明らかになっていなかった。Journal of the American Academy of Dermatology誌2014年5月号(オンライン版2014年3月12日号)の掲載報告。

 検討は、2005~2012年に大学病院で治療を受けたすべてのBCC症例を対象に行われた。

 被験者を、耳BCC群と非耳BCC群に分けて、悪性度(モルフェア型、浸潤型、小結節型、腺様型、混合組織型など)でサブタイプ分類し評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・調査対象期間の頭頚部BCCは合計7,732例であった。そのうち、758例(9.8%)が耳BCCであった。
・耳BCC群は、病変部位が大きく(1.28対0.98cm2)、より多くのモースレイヤー(16.5対10.7%)を要し、非耳BCC群より最終的な欠損が大きかった(4.29対3.49cm2)。
・悪性のサブタイプだけを比較しても、耳BCC群は病変部位が大きく(1.42対1.23cm2)、切除には3枚以上のレイヤーを必要とする頻度が高く(22.3対14.2%)、非耳BCC群より最終的な欠損が大きかった(4.92対4.21cm2)。
・本検討は、単一施設デザインおよび長期追跡調査不足という点で限定的である。

(ケアネット)