日本人の皮膚がんリスク、関連遺伝子が判明

提供元:ケアネット

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公開日:2014/05/06

 

 山形大学医学部皮膚科の吉澤 順子氏、同教授の鈴木 民夫氏らは、日本人における皮膚がんリスクと関連するメラニン形成遺伝子異型を調べた。皮膚がん患者198例、対照500例および107例の皮膚がん独立サンプルを分析した結果、複数の眼皮膚白皮症2型(OCA2)遺伝子異型が明確なリスク因子として示唆されたという。ヒトの皮膚の色と皮膚がんのリスクは関連していることが知られている。これまで、色素沈着関連遺伝子異型とコーカサス人種における皮膚がんリスクとの関連については報告があったが、東アジア人種においては同様の報告はされていなかった。Journal of Dermatology誌4月号(オンライン版2014年3月12日号)の掲載報告。

 研究グループは、日本人における色素沈着関連遺伝子と皮膚がんリスクとの関連について調べた。

 皮膚がん患者198例において、4つの色素沈着関連遺伝子の異型12個とメラニン指数変動の関連を調べ、それらの所見について対照500例と多重ロジスティック回帰分析法を用いて比較した。

 さらに、皮膚がん患者107例の独立サンプルについても分析した。

 主な結果は以下のとおり。

OCA2における非同義異型のH615Rが、山形グループにおいて悪性黒色腫のリスクと有意に関連していることが認められた(オッズ比[OR]:0.38、95%信頼区間[CI]:0.17~0.86、p=0.020)。
・その他にOCA2における非同義異型のA481Tが、大阪グループにおいて、有棘細胞がんと日光角化症のリスクと関連していた(OR:3.16、95%CI:1.41~7.04、p=0.005)。
・悪性黒色腫症例において、OCA2 H615Rのマイナー対立遺伝子が、日光に曝露された皮膚病変部位の発生を誘発している可能性が示唆された(OR:26.32、95%CI:1.96~333、p=0.014)。

(ケアネット)