海水温泉浴+ナローバンドUVBが乾癬治療に有用

提供元:ケアネット

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公開日:2014/03/20

 

 乾癬治療として、アイスランド大学のJenna Huld Eysteinsdottir氏らは、海水温泉浴+ナローバンドUVB(NB-UVB)療法とNB-UVB単独療法を比較する無作為化試験を行った。同治療として、海水浴+NB-UVB療法はすでに知られている。今回の検討では、海水温泉浴併用について標準療法と強化療法を設定し、NB-UVB単独を含め3つのUVB療法について比較することが目的であった。Photodermatology Photoimmunology & Photomedicine誌2014年2月号(オンライン版2013年12月10日号)の掲載報告。

 研究グループは、乾癬外来患者を、海水温泉浴+NB-UVB標準療法、海水温泉浴+NB-UVB強化療法、NB-UVB単独療法の3群に無作為化し、6週間にわたり治療を行い、その効果について比較する検討を行った。標準療法群は週3回、強化療法群は毎日、NB-UVB単独群は週3回治療を行った。

 疾患重症度(PASI、Lattice System Physician's Global Assessmentスコア)、QOL(皮膚状態に関連する生活の質:DLQI)、治療前・中・後に評価した組織学的変化を評価した。主要エンドポイントは、6週時点のPASI 75達成患者の割合であった。

 主な結果は以下のとおり。

・被験者は68例であった。
・6週時点のPASI 75およびPASI 90の達成患者の割合は、海水温泉浴併用療法の標準療法(週3回)群で68.1%と18.2%、強化療法(毎日)群で73.1%と42.3%と、いずれもNB-UVB単独群の16.7%と0%と比べて有意に多かった(すべての比較についてp<0.05)。
・臨床的改善は、QOLの改善、組織学的スコア、NB-UVB用量の減少と連動していた。
・これらの結果を踏まえて著者は、「乾癬患者について、NB-UVBと海水温泉浴の組み合わせは、速やかな臨床的および組織学的改善をもたらし、寛解期を長期に維持し、NB-UVB単独療法よりも低用量のNB-UVB治療を可能とする」とまとめている。

(ケアネット)