アトピー性皮膚炎のかゆみの評価に期待される「ひっかき音検出システム」

提供元:ケアネット

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公開日:2014/03/04

 

 三重大学大学院工学研究科物理工学科准教授・野呂雄一氏、同医学系研究科皮膚科学教授・水谷仁氏らは、アトピー性皮膚炎など、かゆみ(そう痒)の定量的な分析法について、腕時計型の機器を用いて夜間に数分間記録するだけで評価が可能な、「ひっかき音検出システム」を開発した。ADやかゆみの治療法開発において、新たな客観的評価ツールになりうるという。Journal of Dermatology誌オンライン版2014年2月10日号の掲載報告。

 ADを含む皮膚そう痒症患者において、かゆみの定量的分析は、疾患活動性や治療反応を評価するために不可欠なものである。しかし、現状のかゆみの客観的評価システムは限定的なものである。

 研究グループは、腕時計型音声検出による、新たな客観的・定量的ひっかき行動検出システムを開発した。

 主な開発に関する報告は以下のとおり。

・新たに開発したシステムは、手首上で検出したひっかき音を、特異的装置でフィルタリングし、雑音を低減化したのちPCへと記録するものである。
・記録された音声データはその後自動的に、周期性とエネルギーをベースとした特異的ソフトウェアで、ひっかき行動について処理・判定されるというものである。
・このシステムについて、健常ボランティアとAD患者計24例を対象に、同時に記録したビデオ分析評価システムとの比較を行った。
・結果、両者で比較した睡眠時のひっかき行動の割合は、ほぼ同一であった。
・健常被験者のひっかき行動は、6時間中約2分間であった。一方、AD患者は24分間であった。
・これらの結果を踏まえて著者は、「ビデオ分析システムは時間がかかるが、対照的にわれわれの開発したシステムは夜間記録について数分で処理が可能である。かゆみの新たな客観的評価ツールとして、ADやかゆみ治療の開発に役立つことが期待できる」とまとめている。

(ケアネット)