日光角化症にはジクロフェナク+ヒアルロン酸ゲルよりもアミノレブリン酸+PDTが有効

提供元:ケアネット

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公開日:2014/02/27

 

 顔面および頭皮の多発性日光角化症に対して、3%ジクロフェナク+ヒアルロン酸ゲル(DHA)よりもアミノレブリン酸メチル+レーザー治療(MAL-PDT)のほうが、有効性および美容的アウトカム、患者による全体的な満足度が優れていることが示された。イタリア・ブレシア大学のC. Zane氏らが無作為化試験を行い報告した。結果を受けて著者は、「MAL-PDTは高額ではあるが、費用対効果が大きい」と結論している。British Journal of Dermatology誌オンライン版2014年2月7日号の掲載報告。

 研究グループは、日光角化症(AK)に対して広く用いられているDHAとMAL-PDTの治療成績と費用対効果について比較するため、非スポンサー下での単施設非盲検前向き無作為化臨床試験を行った。

 顔面および頭皮に多発性(5個以上)AKを認める患者を、DHAとMAL-PDTに無作為化し、90日(3ヵ月)後に、全体的な完全寛解(CR)率、thicknessスコアによる病変のCR率を評価した。また、患者自身と研究者双方にて美容的アウトカムのスコア化も行われた。さらに患者は、全体的な治療満足度についてもスコア化した。

 すべての病変のCRを達成した患者は、さらに12ヵ月間のフォローアップを受けた。

 費用対効果の分析結果は、3ヵ月および12ヵ月時点のCR当たりのコストで示された。

 主な内容は以下のとおり。

・200例の患者(AK総数1,674個)が、登録された。
・3ヵ月時点の病変CR率は、MAL-PDT群85.9%、DHA群51.8%であった(p<0.0001)。
・すべてのthicknessグレードのAKが、MAL-PDTに対して有意に反応した。
・3ヵ月時点の患者評価のCR率は、MAL-PDT群68.4%、DHA群27.0%であった。
・12ヵ月時点の評価で、CR患者数は、MAL-PDT群37例、DHA群7例に減少した。
・美容的アウトカムの評価は、両方の治療を受けた大多数のCR患者で非常に良い、もしくは優れているという結果であった。
・CR患者当たりのコストは、3ヵ月時点でMAL-PDT群566.7ユーロ、DHA群595.2ユーロ、12ヵ月時点はそれぞれ1,026.2ユーロ、2,295.6ユーロであった。

(ケアネット)