がんのリスクとなる大腸ポリープの再発をアスピリンで4割抑制~無作為化比較試験

提供元:ケアネット

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公開日:2014/02/19

 

 国立がん研究センターと京都府立医科大学は13日、「厚生労働省第3次対がん総合戦略研究事業における研究プロジェクト」によって、低用量アスピリン腸溶錠の服用により大腸がんの前がん状態である大腸ポリープの再発リスクを約40%削減したという研究成果を示したことを発表した。大腸がんの化学予防へ向けた無作為化比較試験において、国内初の成果(アスピリンを用いた研究ではアジア初)であり、今後、大規模検証により罹患率の高い大腸がんの予防法としての確立が期待できる。

 本研究では、大腸がんへ進行する可能性の高い大腸ポリープを内視鏡的に摘除した患者311例に、低用量アスピリン腸溶錠(100mg/日)またはプラセボを2年間投与し、二重盲検無作為化比較により再発リスクを検証した。その結果、アスピリン群の方はプラセボ群と比較して、大腸ポリープの再発リスクが40%程度減少したという。

 論文は、国際的な消化器病関連ジャーナル誌『GUT』に掲載予定で、オンライン版に先行掲載されている。

 詳細はプレスリリースへ

注)低用量アスピリン内服は、現時点で大腸がんに対する予防的投与についての保険適応はない。またアスピリンには消化管出血や脳出血等の重大な副作用を起こす可能性があるため、現時点では大腸がん予防を目的とした予防内服は勧められていない。