治療抵抗性高血圧に対する腎デナーベーションの治験、一時中断 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/01/21 米Medtronic社は、1月9日、治療抵抗性高血圧患者を対象とした腎デナーベーションの臨床試験(SYMPLICITY HTN-3)において、試験実施前に計画していた降圧効果が得られなかったとの結果を公表した。なお、データ安全性モニタリング委員会は、試験において安全性には問題ないと発表している。この結果を受けて、倫理的な観点からMedtronic社は、腎デナーベーションに関するすべての臨床試験(日本でのHTN-Japanを含む)を一時中断し、詳細な分析結果より今後の方向性を判断するとしている。 腎デナーベーションは、脳と腎の間で血圧調整シグナルを伝えている腎交感神経を、腎動脈にカテーテルを挿入し、高周波によって遮断する治療法。腎デナーベーションが治療抵抗性高血圧患者の血圧を低下させることはすでに示されていた。治療中の高血圧者の10%以上で、異なるクラスの降圧薬を3剤以上投与しても血圧が目標値にまで下がらない治療抵抗性高血圧が存在すると報告されており、腎デナーベーションは治療抵抗性高血圧の革新的な治療法として期待されていた。 【参照コンテンツ】 カテーテルベースの腎除神経術、治療抵抗性高血圧の降圧に有用 治療抵抗性高血圧の根治術:腎交感神経アブレーションの無作為比較試験・The Symplicity HTN-2 Trialのエビデンス 治療抵抗性高血圧患者への腎アブレーション:施行3年後の成績/Lancet 高血圧はカテーテルで治す時代がくるか? SYMPLICITY HTN-3 は、治療抵抗性高血圧症(収縮期血圧≧160 mmHg)を対象とし、腎デナーベーションの安全性と有効性を評価するために設計された無作為化盲検化比較試験で、腎動脈にカテーテルを挿入するが高周波を発生させないという対照群を置いた試験はこれが初めて。試験期間中、全対象が降圧薬の服用を継続するという設計であった。主要エンドポイントは、6ヵ月時点における外来血圧と主要な有害事象の発生率。 わが国でも迅速かつ慎重に本治療の導入活動をしてきた日本高血圧学会は、1月15日、このニュースを公式サイトで紹介している。 腎神経焼灼術に基づいた高血圧治療についての米国からのニュース (ケアネット 藤原健次) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 難治性狭心症、冠静脈洞へのデバイス留置で症状改善/Lancet(2024/04/30) 不安定プラーク、至適薬物療法+予防的PCI追加で予後改善/Lancet(2024/04/30) 抗血小板療法を「軽くする」時代(解説:後藤信哉氏)(2024/04/30) 家族内での治療抵抗性うつ病の発生率(2024/04/30) PD-L1高発現NSCLCに対するネシツムマブ+ペムブロリズマブの可能性(K-TAIL-202)/AACR2024(2024/04/30) コロナ禍以降、自宅での脳卒中・心血管死が急増/日本内科学会(2024/04/30) 免疫療法+個別化ワクチン、肝細胞がんの新治療法として有望(2024/04/30) 膵体積とOGTTで1型糖尿病への進行を予測可能(2024/04/30) 若さを感じたければ良い睡眠を(2024/04/30) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) Dr. 倉原の”おどろき”医学論文(2013/08/21) “簡単・確実”吸入指導 デバイス別ポイント(2013/12/05) Dr. 坂根のすぐ使える患者指導画集 -糖尿病編-(2013/11/13) さわやま流 音楽的聴診術<下巻>(2013/10/07) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 抗がん剤皮膚障害セミナー(2)マルチキナーゼ阻害薬I最新情報(2013/09/27)